【NY金、次の下値の目安は?】
13日のNY金が節目の1200ドルを割り込んだ。

トルコショックにより金融市場が混乱し、南アフリカランドやインドルピー、ロシアルーブルといった他の新興国通貨も連れ安となった。

一方、ドルは円やスイスフランとともに「資金の逃避先」として買われ、ユーロに対して大幅上伸となった。これを受けてドルインデックスも一時、13カ月ぶりの高値まで上伸した。ドル高によりドル建て金の割高感が強まり、NY金には売りが圧力が強まった。

従来であれば政治経済の混乱やインフレ進行の際は、リスク回避資産として金が選好されるが、現状では金がリスク回避の対象となっていない。逃避資金は、「安全資産」とされる米国債に向かっており、それがドル買いにつながっている。

8月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文では、好調な米国経済を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が今年あと2回の利上げを行うことが示唆された。14日時点のCMEのFED WATCHでは、9月の利上げは96%を越えている。

米長期金利は3%近くまで上昇し、投資資金はドルや米国債に向かい、金利のつかない金からは資金が流出している。直近の金ETF「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の保有高は776.65トンと2016年2月以来の低水準となった。

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ファンドも金に対しては弱気に傾いている。CFTC建て玉を見ると、8月7日時点でのファンドのショートポジションはこの1週間で2万1686枚増えて19万5604枚と、2006年の集計開始以来の最大を記録した。


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こうした状況からすれば、1200ドル割れは単なる通過点である可能性が高い。週足チャートから次の下値の目安は、1120~1150ドルのゾーンになろう。


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