【南アランド円相場、先週の動き・今週の展望】
*先週の南アランド円は下落した。トルコリラの大幅下落を受けて新興国通貨である南アランドも、対ドル、対円で下落し、ともに2016年以来の水準まで大幅安となった。南アランドは本邦個人投資家が8円台前半で買っていたこともあり、8円を割り込んだことでストップロスの売りが膨らんだようだ。

南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)が今年の景気について「弱く、不安定なものとなる」との弱気な見通しを示したことを受けて下げ画加速した。なお、14日、SARBのミネル副総裁がランド急落に関して、「驚いたものの、現在の外国為替市場は中銀の介入が必要な状況からは程遠い」との見解を示した。

*今週の南アランド円は、地合いの弱い展開が続くだろう。先週はトルコリラの下落に連れ安となったが、今週もトルコリラの動きに翻弄されそうだ。先週末、格付け会社2社がトルコの格付けをそれぞれ引き下げており、トルコリラの下落基調は続きそうだ。今週は22日に7月消費者物価指数(CPI)が発表される。前回よりも低下する見込みでインフレの落ち着きは好材料だが、相場環境がこのようば状態では、経済指標のみを頼りに買われていく可能性は低いだろう。

先週、左派野党「経済的解放闘志(EFF)」が提出した南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)国有化法案を巡り中銀の独立性への懸念が台頭している。南ア議会は16日遅く、EFFのマレマ党首が「政府を中銀の唯一の株主にする」ためのSARB修正法案を提出したと発表した。これに対し、中銀の独立性が再び懸念材料となるため、南アランドの押し下げ要因となる可能性があると指摘されている。世界の中銀の多くが国有だが、南アの中銀については、過去の政権が中銀の人事や政策決定に干渉していた経緯があることから、国有化されることを市場は懸念している。


【南アフリカ経済指標】
21日火曜日
16:00 6月景気先行指数 前回105.9

22日水曜日
17:00 7月消費者物価指数前年比前回+4.6% 予想+5.0%

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*予想レンジ:7.20円~7.80円


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