8月28日(火)
【8月27日の海外相場および市況】
ny0827

*週明け27日のNY外国為替市場の円相場は、111円台前半で小動き。この日はロンドン市場が休場(バンクホリデー)で、主要な米経済指標の発表などもなかったことから動意薄の展開となった。トランプ大統領は27日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、米国とメキシコの2国間協議が大筋合意に達したと発表。中国やカナダ、欧州連合(EU)などとの貿易摩擦解消に向けた協議の進展にも期待が広がる中、NYダウが上伸したほか、メキシコ・ペソやカナダ・ドルなどが対米ドルで上昇したが、円ドル相場の反応は限定的だった。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が前週末に行った講演では、9月会合での追加利上げは示唆されたものの、利上げ局面が近く終盤を迎える可能性もにおわせたことから、積極的なドル買いも手控えられた。

*週明け27日のNY金は、ドル安進行に伴う割安感を受けた買いに小幅続伸した。外国為替市場では、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で米国とメキシコの2国間協議が合意に達したとの報などを受けてドルが対ユーロで下落し、ドル建て金に割安感が広がり、金買いが活発化した。金の主要消費国である中国の通貨・人民元が対ドルで堅調に推移したことも強材料となり、一時1218.80ドルまで上昇した。ただ、買い一巡後は高値圏で利益確定とみられる売りが出て上げ幅を削った。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による24日の講演後、利上げペースの加速観測は後退したものの、依然想定される年内あと2回の利上げが金利を生まない資産である金相場を圧迫したもようだ。NY白金は続伸。

*週明け27日のNY原油は小幅続伸した。NAFTA再交渉でのメキシコとの合意を受けて米株が大幅上昇し、原油相場の支援材料になった。貿易障壁が取り除かれれば、経済成長が促進され、石油の需要見通しも押し上げられるとの思惑が高まった。また、ドルが対ユーロで下落し、ドル建て原油に割安感が生じた。前週末に発表された最新週の国内石油掘削リグ稼働数が前週比9基減の860基だったほか、米エネルギー情報局(EIA)が22日に公表した週間在庫統計で原油在庫の大幅な取り崩しが明らかになっていたことも引き続き支援材料となった。ただ、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国の監視委員会は、7月の協調減産の達成率が合意水準を9%上回ったと認定。6月の達成率は120%、5月は147%だったため、各国の増産が着実に進んでいることが確認された。24日までの週のWTI主要受け渡し拠点である米オクラホマ州クッシングの在庫が約76万4800バレル増加したとの報は弱材料視された。

*週明け27日のシカゴトウモロコシ、大豆は反落。米中貿易摩擦や中国で家畜伝染病アフリカ豚コレラ(ASF)に感染した豚が確認されたことを受けて、最大消費国である中国からの需要をめぐる懸念に加え、米国産の生産が過去最高になるとの予想が弱材料になった。

*週明け27日のNYダウは上昇。北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で、米国とメキシコが2国間協議で合意に達したことが好感された。米国とメキシコはこの日、NAFTA再交渉の2国間協議で合意に達したと発表。米国とメキシコの2国間協議が大筋合意に達したことで、通商協議が激化している中国やカナダ、欧州などとの貿易摩擦が解消に向かうとの期待感が高まった。カナダとの協議を近く再開する方針を明らかにした。貿易面での進展を受け、投資家はトランプ大統領自身の法律問題、米国の対ロシア追加制裁、シリアを巡る米ロ間の舌戦など数多くの悪材料は無視された。


【28日の経済指標】
17:00   (欧) 7月 マネーサプライM3 [前年同月比]  4.4%   
22:00   (米) 6月 ケース・シラー米住宅価格指数  211.94   
22:00   (米) 6月 ケース・シラー米住宅価格指数 [前年同月比]  6.5%   
23:00   (米) 8月 リッチモンド連銀製造業指数  20  18 
23:00   (米) 8月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)  127.4  126.5 


第179回 『おしえて陳さん』 
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