【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は下落した。米国とメキシコの間で北米自由貿易協定(NAFTA)が合意されたのに続き、米国とカナダの合意が期待されていたが、期限とされていた8月31日までに合意できなかった。そのため、失望売りが優勢となった。トラン米大統領は「カナダ抜き」のメキシコとの2国間協定に署名する意向を米議会に通知。カナダの合流余地は残したものの、巨大経済圏の先行きは一層不透明になった。

*今週のメキシコペソ円は、保ち合いとなりそうだ。依然として、米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)が合意できるかどうかにかっているだろう。トランプ大統領は1日、ツイッターに「新しいNAFTAにカナダをとどめる政治的必要性はない」と投稿し、カナダ抜きで、メキシコとの2国間協定を進める姿勢を示した。さらにカナダに対して「何十年にも及ぶ地位の乱用」と非難し、米議会の交渉介入も牽制した上で同協定を廃止する可能性をちらつかせた。9月5日に交渉は再開したが、今のところ合意の兆しは見えていない。

市場は、米、メキシコ、カナダの3国間によるNAFTA合意を望ましいとしており、カナダ離脱となれば、失望感からメキシコペソには売りが強まる可能性がある。NAFTA再交渉を巡り、米国とメキシコの両政府が通貨政策の透明性を約束する「為替条項」の導入で合意したことが判明した。輸出促進のための競争的な通貨安誘導を控えることを見直し後の新協定に盛り込む見通し。メキシコは競争的な通貨安を控えることを国際的に約束しており、今回合意した為替条項による通貨政策への影響は不透明だ。

米国とメキシコは9月中に新協定の条文を公表する見込み。メキシコのグアハルド経済相は自国の自由な通貨政策が縛られるような内容ではないと主張している。世界有数の産油国であるメキシコの石油政策が不透明になってきた。同国政府は次期大統領に12月就任予定のロペスオブラドール氏の意向を受け、9月に予定していた油田開発を巡る民間企業対象の入札を延期した。ガソリンの完全自給を目指す同氏の巨額投資計画が国営石油会社の収支悪化を促す可能性も指摘される。産油量などに変化が生じる可能性も指摘されており、ペソの押し下げ要因になる可能性もある。


【メキシコ経済指標】
10日月曜日
24:00 8月自動車輸出前年比前回-5.5%  予想-4.5%
24:00 8月自動車生産前年比前回-5.5%  予想-4.5%

11日火曜日
21:40 7月外貨準備前回$178.01B  予想$178.5B
10:00 7月工業生産前年比 前回0.2%  予想0.6%


peso0910

*予想レンジ:5.50円~5.90円


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