9月14日(金)
【9月13日の海外相場および市況】
ny0914

*13日のNY外国為替市場では、米中貿易摩擦の緩和期待からドル円は111円台後半に上昇した。8月米消費者物価指数(CPI)は季節調整後で前月から0.2%上昇、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は0.1%上昇となり、いずれも市場予想を下回った。前日発表された卸売物価指数(PPI)に続く弱いインフレ指標を受け、ドルは一時下落した。しかし、トランプ政権が中国に閣僚協議の再開を打診したとする前日の一部報道を材料に、貿易摩擦緩和への期待感がこの日も継続し、NYダウの上昇を反映してドル買いが優勢となった。一時112円ちょうどと、8月1日以来約1カ月半ぶりに112円台を付けた。また、トルコ中央銀行がこの日の政策会合で、市場予想を上回る大幅な利上げ決定したため新興国通貨売りが落ち着き、安全資産としての円を売る動きが強まった面もある。

*13日のNY金は、米中の貿易摩擦緩和に向けた協議の行方に警戒感がくすぶる中、需要減退が懸念され小反落した。ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は13日までに、米国が中国との貿易摩擦緩和に向けた閣僚協議の再開を打診していることについて、11月の中間選挙を控えてトランプ米大統領が政治的な圧力を受けていることが背景にあると報道。これに対し、トランプ大統領は「ウォール紙は間違っている。米国側は中国側と合意するための圧力にはさらされていない。中国側が米国側と合意するための圧力にさらされている」とツイートした。これを受けて、米中による「貿易戦争」回避に向けた通商協議が依然難航するのではないかとの懸念が浮上。両国間の摩擦が激化すれば、金需要も減退するとの見方が強まり、一時的に売り圧力がかかった。ただ、8月米消費者物価指数(CPI)が全体、コアともに市場予想を下回ったことを受けて、外国為替市場では対ユーロでドル安が先行し、ドル建て金に割安感が生じていたため、下値は限定的だった。

NY白金は最大の生産国南アフリカの通貨ランドが上昇したことを受けて続伸。

*13日のNY原油は、世界経済の先行き不透明感がエネルギー需要を抑制するとの懸念が広がり、3日ぶり
に反落した。前日70ドルの大台に乗せたことで利益確定売りが優勢となった。また、国際エネルギー機関(IEA)が発表した月報で、世界の石油需要は間もなく日量1億バレルに達する見通しではあるものの、新興国市場の危機や貿易摩擦の激化などが需要の伸びを抑制する可能性があると分析されたことで売りに拍車が掛かった。また、8月の石油輸出国機構(OPEC)加盟国の原油供給量が9カ月ぶりの高水準になったとも嫌気された。ハリケーン「フローレンス」が米南東部沿岸に接近する中、テキサス州から同地域一帯を経由して米北東部へ輸送されるガソリンなどの石油製品の供給が滞るとの懸念も広がり、一時68.35ドルの安値を付けた。

*13日のシカゴトウモロコシは続落。小麦安や豊作予想に圧迫された。シカゴ大豆は反落。米国による対中追加制裁関税の実施が迫る中、トランプ米政権が中国当局に貿易協議の再開を打診したことに中国側は歓迎の意思を示したが、トランプ大統領は13日、米国は中国と通商面で合意するよう圧力をかけられてはいないと述べたことが嫌気された。

*13日のNYダウは、米中貿易摩擦の緩和期待から3日続伸した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は12日にトランプ政権が中国との貿易摩擦緩和に向けた閣僚協議の再開を打診したと報道。13日の株式市場も協議を通じた中国に対する巨額制裁回避への期待感が続いた。協議再開については、トランプ大統領が13日のツイッターに「われわれには交渉を妥結させなければならないとのプレッシャーない。あるのは中国の方だ」と投稿。交渉の先行きについては不透明感も強いが、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表ら対中強硬派ではなく、国際協調派のムニューシン財務長官が交渉をリードすると報じられたことが好感されたようだ。8月米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る弱い結果となり、米利上げ加速への懸念も後退したことも株価に追い風になった。


【14日の経済指標】
11:00   (中) 8月 小売売上高 [前年同月比]  8.8%  8.9% 
11:00   (中) 8月 鉱工業生産 [前年同月比]  6.0%  6.1% 
13:30   (日) 7月 鉱工業生産・確報値 [前月比]  -0.1%   
18:00   (欧) 7月 貿易収支  225億ユーロ   
19:00   (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言 
21:30   (米) 8月 小売売上高 [前月比]  0.5%  0.6% 
21:30   (米) 8月 小売売上高(除自動車) [前月比]  0.6%  0.6% 
21:30   (米) 8月 輸入物価指数 [前月比]  0.0%  -0.3% 
21:30   (米) 8月 輸出物価指数 [前月比]  -0.5%  ― 
22:15   (米) 8月 鉱工業生産 [前月比]  0.1%  0.3% 
22:15   (米) 8月 設備稼働率  78.1%  78.2% 
23:00   (米) 7月 企業在庫 [前月比]  0.1%  0.4% 
23:00   (米) 9月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値  96.2  96.1


第181回 『おしえて陳さん』 
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