【東京白金は下値切り上げの可能性】
*先週の東京白金は、堅調なNY白金と為替の円安を受けて、3.1%上昇した。NY白金は760~800ドルのレンジで保ち合いが続いているが、同じ貴金属である金やパラジウムに対する割安感からレンジの下限ではショートカバーが入り、下値がサポートされているようだ。現況の価格水準は、リーマンショックで暴落した後の2008年10~11月当時の価格帯であるため、値頃感が働きやすい。

CFTC建玉明細によると、ファンドは白金を13週連続で売り越している。9月11日時点のネットショートは7568枚と前週の1万1916枚から4348枚減少している一方で、実需のロングは3万2000枚近くある。18日のNYパラジウムは3ヶ月ぶりに1000ドルの大台に乗せ、NY白金も800ドル台に上昇した。パラジウム最大の生産国はロシアであるが、14日に通貨安防衛のため3年9ヶ月ぶりの利上げ(7.25%⇒7.50%)を行った。

さらに、原油価格の上昇により通貨ルーブルが対ドルで上昇したことがパラジウム急反発の要因となったようだ。同じ白金族である白金も押し上げられた。東京白金はこれに円安の追い風もあって3000円の大台に接近する上昇となり、テクニカル的にも地合いは好転している。3000円の大台回復は時間の問題だろう。

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*東京白金予想レンジ:2850~3050円

*CFTC建玉9月11日時点:ファンドの白金売り越しは7568枚(前週比-4348枚)と減少。総取組高は9万3273枚と前週比3727枚の増加。

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*白金と金の逆ザヤは、7月3日に1526円と過去最大幅を記録した。その後は売られ過ぎから急速に縮小し1350円まで戻したが、再び1450円台へ拡大。そして1400円台に縮小。白金の下値が近いと見れば、過去最大の逆ザヤ1526円は下回らない可能性は高いだろう。


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