【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は下落した。エルドアン大統領は総資産で同国上場最大手銀行のトルコ勧業銀行について、最大野党の保有株式を政府に移管するべきだと主張。大統領がまたしても経済に介入する動きを見せたことで、投資家の不安が強まった。トルコ銀行協会(TBB)によると、国内の銀行や金融機関が企業の債務返済を支援する方向で合意。最近の市場動向等を踏まえ、ローン再編に関する枠組み同意書に署名。今回の合意でカバーされるのはローン残高の9割に相当。残り1割も速やかにカバーされる見込み。リラが今年に入り対ドルで4割値下がりする中、企業が抱える外貨建てローンの返済コストは急上昇し、銀行の不良債権が急増するのではないかと懸念されているが、ローン再編に伴い銀行の貸倒引当金は減額する可能性がある。

アルバイラク財務相は20日、新たな中期経済プログラムとして2021年までの中期経済計画を発表した。通貨リラ相場の下落や物価上昇を抑えるため、新規のインフラ開発を事実上凍結する。財政規律を重視し、金融市場の信頼回復を優先する姿勢を示した。企業の破綻増で膨らむ銀行の不良債権への対応には踏み込まなかった。成長見通しとして2018年と19年の成長見通しを大幅に下方修正した。18年の成長率は3.8%、19年は2.3%となる見込み。ともに従来予想の5.5%から下方修正された。この発表後にトルコリラは急落した。市場は、銀行の不良資産の受け皿となる「バッドバンク」の創設など銀行セクターへの支援策を期待していたが、そうした措置の発表はなかったことで失望感が強まったようだ。

*今週のトルコリラ円は、保ち合いで推移しそうだ。予想以上の利上げが実施されトルコリラは一段安を逃れた。市場は、米国との関係改善を期待している。25日、ポンペオ米国務長官がトルコで拘束されている米国人牧師ブランソン氏について、今週トルコ政府高官と協議する見通しを示し、両国間の緊張が緩和するとの見方が強まった。トルコ大統領府の報道官は24日、トルコの裁判所は米国人牧師に関する決定を下すと述べ、10月12日に下される裁判所の判断を尊重するよう求めた。8月の大暴落にもかかわらず、本邦個人投資家はトルコリラ円に買い参入しているようだ。

東京外国為替市場委員会によると、今年4月に東京市場で行われたトルコリラ円取引高は、1営業日平均で39億8000万ドル(約4450億円)。2017年の対トルコ貿易は輸出が3546億円、輸入は711億円。1日当たりの取引高は、1年分の輸出入合計をはるかに上回っている。トルコ10年国債利回りはピークから下がったとはいえ足元で約18%。米国の2.9%、日本の0.11%と大きな開きがあり、高金利(スワップポイント)が人気の理由。8月10日、対立する米国との協議が物別れに終わり、トランプ米大統領が追加関税の発動を表明したことで、トルコリラは、20円台から15円台まで落ち込み過去最安値を更新した。しかし、トルコ当局の相次ぐ政策対応が奏功し、リラは16日に19円台へ反発。個人投資家は再びリラを買い増しているようだ。今後は、対米関係の改善が明確になるかどうかがポイントだろう。

【トルコ経済指標】
24日月曜日
エルドアン大統領9/23~9/27(米NY訪問)
20:30 9月景気動向指数[季調済]前回96.3   
20:30 9月設備稼働率前回77.8%

25日火曜日
時間未定 国連総会NY(エルドアン参加)27日まで

9月27日木曜日
16:00 9月経済信頼感前回83.9

9月28日金曜日
エルドアン・メルケル会談(28~29日間で日程不明)
16:00 8月貿易収支前回-59.8億USD  予想-25.0億USD

lira0926

*予想レンジ:17.00円~19.00円

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