【東京金は、円安を背景に堅調に推移か】    
*先週のNY金は下落し、週の終値は1200ドルを下回った。米中間の「貿易戦争」激化に対する懸念が再燃する中、安全資産である金が買われた。25、26日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り政策金利は0.25%ポイント引き上げられた(2.00⇒2.25%)。2019年も緩やかなペースで利上げを続ける方針が改めて示され、12月の利上げもほぼ確実になり、来年は3回の利上げが想定された。初めて公表された2021年の利上げに関しては0回が想定された。パウエルFRB議長が会見で「予想外のインフレの上振れは見込んでいない」などと発言したため、米長期金利が低下した、NY金は1200ドル台を回復した。

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しかし、イタリアの財政不安などを背景にドル高・ユーロ安が進行し、2018年4〜6月期の米実質GDP(国内総生産)確定値が前期比4.2%増、8月の耐久財受注が前月比4.5%増と堅調だったことが判明すると、NYダウが堅調に推移し、安全資産である金は大幅安となった。堅調な株価を背景に金投資は落ち込んでおり、金ETFは740トン台に低迷している。年内あと1回の利上げの可能性が高まったことから、米長期金利は3.0%台で高止まりし、金には先安感が強まっている。ファンドは金のショートポジションを増やしている。NY金は上値の重い展開が続きそうだ。

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*NY金予想レンジ=1170~1220ドル

*CFTC建玉9月25日時点:ファンドの金売り越しは1万7648枚(前週比+6804枚)と増加。総取組高は46万0279枚と前週比9157枚の減少。

*先週の東京金は軟調だったが、週の終値は4300円を維持した。これは為替の円安が影響しているからで、9月以降のドル円は3.0%程度上昇している。これに押し上げられる形で東京金も4200円台から4300円台に下値を切り上げている。26日に終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り利上げが決定され、年内もう1回の利上げが示唆された。2020年で金利引き上げはピークに達すると示されたことで、一時ドルが下げる場面もあったが、米長期金利は3.0%台で高止まりしており、週明けのドル円は114円台に上昇した。ドル高円安基調は継続しよう。

NY金市場においてはファンドのショートポジション拡大が気になるところ。25日には過去最大の1万7648枚の売り越しになっているが、これはFRBの利上げ姿勢を反映してのことと思われる。しかし、今後は、米中貿易戦争に関連するリスクやイタリアの財政問題に関するユーロリスク、原油高がもたらすインフレリスク等が顕在化してくる可能性がある。NY金が思ったほど下げなければ、ファンドのショートカバーが金相場の下値を支えよう。東京金は4400円を目指してジリ高で推移すると予想する。

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*東京金予想レンジ:4350~4450円。


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