【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は6円台に上昇した。米国のハセット大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉をめぐり、米国はカナダ抜きでメキシコと協定の改定を進めなければいけない状況に「極めて近付きつつある」と語った。ハセット氏は、新たな協定文書の公表期限の10月1日までに約1週間しか残っておらず、米国とカナダは依然として条件で合意に至っていないと指摘。「カナダがまだ署名していないことに、私は少し驚いている」とし、「メキシコと米国は非常に素晴らしい協定を策定してカナダにアピールしており、カナダの政治が常識に勝ることを懸念している」と非難した。カナダ抜きのNAFTAとなることが懸念された。8月貿易収支が-2.590B(予想-2.204B、前回-2.889B)と前回より改善したことが好感された。

*今週のメキシコペソ円は、堅調に推移しよう。週明け1日午前11時(東京)、米国とカナダが北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で基本合意したとの報道が出ると、カナダドルが急反発し、連れてメキシコペソも上昇した。これにより、メキシコのペニャニエト現大統領が11月30日の任期終了までに署名することが可能になる。米国とメキシコは8月に合意している。メキシコで12月に就任するロペスオブラドール次期大統領は巨額のインフラ投資計画を打ち出している。同氏の支持基盤で開発の遅れる南東部を中心に年間で計5千億ペソ(約3兆円)規模のインフラ投資を実施。太平洋とメキシコ湾を結ぶ物流網を整備し、有名リゾート地カンクンを擁するユカタン半島に観光鉄道を敷設する。

モルガン・スタンレーは、新興国債券および通貨に対する投資スタンスを「ネガティブ」から「ニュートラル」に修正した。6カ月におよぶ弱気相場を経て一時的な安定局面を予想。バリュエーションの低下で投資家に姿勢の変化と指摘。新興国各国が投資家の信頼回復に向けた政策対応を強化し、特有の問題への懸念が後退。ただ、中期的には深刻化するリスクがあり、強い向かい風が再び吹き荒れる可能性もあるとした。新興国通貨では、アルゼンチン、インドネシア、ロシア各国通貨を選好し、債券は、メキシコをポジティブとした。


【メキシコ経済指標】
1日月曜日
22:00メキシコ9月景況感前回51.3  予想51.6
23:30メキシコ9月製造業PMI 前回50.7 予想50.8

4日木曜日
22:00メキシコ9月消費者信頼感前回101.8  予想101.9
27:00メキシコ中銀政策金利前回7.75%  予想7.75%


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*予想レンジ:5.90円~6.25円


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