10月11日(木)
【10月10日の海外相場および市況】
ny1010

*10日のNY外国為替市場では、NYダウの大幅下落を受けてリスク回避姿勢が強まり、安全通貨である円が買われ、ドル円は112円台前半に下落した。低調な米国債入札を受けて米長期金利が上昇し、円を売ってドルを買う動きが強まった。9月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇。エネルギーと食料品を除いたコア指数も0.2%上昇した。いずれも市場予想と一致したが、米長期金利の上昇を受けてNYダウが大幅安となると、円買いが広まった。

*10日のNY金は、対ユーロでのドル安進行に伴う割安感を受けた買いに支えられ、小幅続伸した。9月米卸売物価指数(PPI)は全体、コア指数がともに前月比0.2%上昇した。いずれも市場予想と一致したが、物価の着実な上昇を受けてインフレ高進が意識され、米利上げペースの加速観測が浮上したことから、金利を生まない資産である金は圧迫された。ただ、追随売りも限定的で、ドルが対ユーロで下落し、ドル建て金に割安感が台頭したことから、買い戻しが入り、プラス圏に押し上げられた。この日は、世界の株価が急落し、ドルも下げる中、資金の安全な逃避先として金が選ばれたようだ。NY白金は株価の急落を受けて反落。

*10日のNY原油は、NYダウの大幅続落や国内原油在庫の積み増し予想などに圧迫されて反落した。9月米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇、コア指数も0.2%上昇した。いずれも市場予想と一致したが、インフレ高進への警戒感から米長期金利が上昇。長期金利が上昇すれば景気の足かせになりかねないとの見方が強まったことからNYダウが急落し、同じくリスク資産である原油にも売りが波及した。国際通貨基金(IMF)が9日に公表した最新の経済見通しで、貿易摩擦などの影響を考慮して2018年と19年の世界成長見通しを下方修正していたことも、圧迫要因となった。

大型ハリケーン「マイケル」は「カテゴリー4」の強さに発達し、10日午後にフロリダ州に上陸。石油関連施設などへの影響も懸念されており、今後の被害状況に注目が集まっている。内務省安全環境執行局(BSEE)によると、メキシコ湾では日量約42%の減産となっており、メキシコ湾岸の石油生産は一部ストップしている。

引け後に発表された米石油協会(API)による5日までの1週間の国内原油在庫は前週比970万バレル増と、市場予想(260万バレル増)の4倍近い増加幅だった。

*10日のシカゴトウモロコシは3日続落。農務省の需給報告の発表を11日に控え、ポジション調整が入った。需給報告では、2018年産の生産高の増加が示されると見込まれている。一方、米中西部では広範囲にわたる降雨で、今週は収穫作業に遅れが出ている。シカゴ大豆は続落。長引く米中間の貿易摩擦が懸念されている。

*10日のNYダウは、高止まりする米長期金利や世界的な貿易摩擦の悪影響に懸念が広がり、大幅急落した。9月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.2%増と堅調だったことや低調な米国債入札を受けて長期金利が一時上昇し、企業業績が圧迫されるとの警戒感から、売りが広がった。米中貿易戦争の影響懸念も相場を押し下げた。国際通貨基金(IMF)は前日公表した最新の経済見通しで、今年と来年の世界の成長見通しを下方修正した。欧州では、独高級車メーカーBMWなど、貿易戦争を理由に業績見通しを下方修正する企業が相次いでおり、欧州発の業績不安が一気に広がった。


【11日の経済指標】
08:50   (日) 9月 国内企業物価指数 [前月比]  0.0%  0.1% 
08:50   (日) 9月 国内企業物価指数 [前年同月比]  3.0%  2.9% 
21:30   (米) 前週分 新規失業保険申請件数  20.7万件  ― 
21:30   (米) 9月 消費者物価指数(CPI) [前月比]  0.2%  0.2% 
21:30   (米) 9月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  2.7%  2.4% 
21:30   (米) 9月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前月比]  0.1%  0.2% 
21:30   (米) 9月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比]  2.2%  2.2% 
27:00   (米) 9月 月次財政収支  -2141億ドル  

第185回 『おしえて陳さん』 
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