【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は下落した。北米自由貿易協定(NAFTA)でカナダが米国と合意したことで、強材料はとりあえず出尽くし、利益確定売りが継続した。NYダウが大幅下落となったことも売りに拍車をかけたようだ。

9日に発表された9月消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.02%上昇となった。上昇率はおおむね事前予想(5.01%)並みの水準だったが、8月の4.90%を上回った。前年同月比のCPI上昇率は6月以降、前月の水準を上回り続けている。変動の大きい一部の食料品やエネルギーを除いたコア指数は前年同月比で3.67%上昇。予想(3.62%上昇)を上回る伸びだった。CPIは前月比では0.42%上昇。コア指数は0.32%上昇。

*今週のメキシコペソ円は、保ち合いで推移しよう。次の材料待ちが続きそうだ。メキシコ中央銀行は今月4日、市場の予想通りに政策金利を7.75%で据え置くことを決定した。インフレ加速は一時的とする一方で、物価目標の達成に向けて必要な措置を講じる用意があることを表明した。先週発表された9月消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.02%上昇と8月の4.90%を上回ったが、事前予想(5.01%)並みの水準だった。インフレ懸念が高まっていないため、しばらくの間、政策金利は据え置きが続きそうだ。

北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる米国、メキシコ、メキシコを含めた3カ国間の貿易協定は「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA:United States-Mexico-Canada Agreement)」になった。トランプ大統領は、USMCAの合意の意義として、1.労働者保護、デジタル経済、特許、金融サービスなどの分野で高水準の合意が成立したこと、2.メキシコとカナダが労働・環境・知的財産の保護に関する新たな合意を受け入れたこと、3.米国の農家や酪農家に対するメキシコとカナダの市場アクセスを改善したことなどを挙げた。

メキシコのペニャニエト現大統領は11月30日の任期終了までにUSMCAに署名することが可能になる。メキシコで12月に就任するロペスオブラドール次期大統領が、巨額のインフラ投資計画を打ち出している。同氏の支持基盤で開発の遅れる南東部を中心に年間で計5千億ペソ(約3兆円)規模のインフラ投資を実施。太平洋とメキシコ湾を結ぶ物流網を整備し、有名リゾート地カンクンを擁するユカタン半島に観光鉄道を敷設する。

【メキシコ経済指標】
18日木曜日
24:00メキシコ中銀金融政​​策決定会合議事録

peso1015

*予想レンジ:5.80円~6.00円


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