【東京金は押し目買い優勢が続きそう】
*先週のNY金は堅調に推移した。10日に起きたNYダウ大幅安の余韻が残る中、不安定な株価を背景に安全資産として金が買われた。サウジアラビア人記者の殺害疑惑で米国とサウジアラビアの関係が悪化するのではないかとの懸念が広がり、同国を取り巻く地政学的リスクも金買い後押しした。

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減少傾向を続けていた金ETFも増加に転じ、金投資復活の兆しが出てきたようだ。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、利上げについて前向きな姿勢が示されていたことから、米長期金利は3.2%台で高止まりしている。金利を産まない金にとっては金利の先高観はマイナス要因であり、金相場の重石になっている。NY金は50日移動平均線を上抜いているものの、100日移動平均線に頭を抑えられており、レンジ相場が続きそうだ。先の株価急落ではファンドのショートカバーが炙り出され、ネットでは買い越しに転じた。NY金は値固め局面が続きそうだ。

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*NY金予想レンジ=1200~1250ドル

*CFTC建玉10月16日時点:ファンドの金買い越しは1万7667枚(前週比+5万5842枚)と増加。買い越しに転じた。総取組高は47万4418枚と前週比9165枚の増加。
    
*先週の東京金は上昇し、4300円台から4400円台に水準を切り上げた。NY金が堅調に推移したことに加え、為替の円安基調が続いたことが上昇要因となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)での議事要旨では米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な姿勢が示された。米長期金利は3.2%台で推移し、ドルの地合いを支えている。しかし、高止まりしている金利が株価の重石になって投資家心理を不安にさせているようだ。NYダウの地合いが悪化したため、ドル指数が伸び悩み、ドル建て金の割高感を弱めている。サウジアラビアの記者死亡事件は政治的な決着で、大きな問題には至らない可能性があろう。

市場は、11月6日の米中間選挙に注目している。上院は共和党が占めると予想されるものの、下院では劣勢が伝えられており、仮に、共和党が過半数を割り込めば「ねじれ議会」となって株安・ドル安が強まる可能性がある。その場合、安全資産である金に投資資金が流れることが予想される。東京金は4400円台に上昇し、100日移動平均線を上回った。押し目買いが継続し、200日移動平均線のある4500円を目指しそうだ。

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*東京金予想レンジ:4380~4480円。


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