【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は下落した。トランプ大統領が非常事態と強調した7000人規模のホンジュラス移民問題で、トランプ大統領はメキシコが食い止めなければならないと激怒。これに関してメキシコのオブラドール次期大統領がトランプ大統領を批判。トランプ大統領はさらに激怒して中米への資金供給を止めるぞと脅しをかけた。米国とメキシコの関係悪化が懸念された。また、NYダウの大幅安に連れて、メキシコ株は4カ月ぶりの安値を付けたこともペソ売り要因となった。

*今週のメキシコペソ円は、戻り売りが優勢となりそうだ。メキシコ市の空港建設問題や中米移民問題が重石となるだろう。空港建設問題を巡って、ロペスオブラドール次期大統領は「不正は絶対許さない」として建設中止を訴えている。12月に発足するメキシコ次期政権は、現在のメキシコシティ国際空港の代替施設建設を巡る国民への意見調査を25日から28日まで実施した。調査には約100万人が参加し、開票の結果69%が新空港の建設に反対したことが判明した。これを受けて週明け29日のメキシコペソは対ドルで1.0%以上下落した。新空港建設を巡ってはロペスオブラドール氏は選挙期間中から「建設費用がかかり過ぎる」などと批判して中止を訴えていたが経済界からは建設継続を求める声が多く、最終的には「国民の声を聞いて判断する」として意見調査を実施することになった。ただ、実際に中止となれば国際条約違反や企業との契約取り消しなどの問題が生じる恐れがある。

また、ホンジュラスの移民問題も影響が大きい。中南米諸国から米国に向けて7000人を超える不法移民集団が北上している問題で、移民を食い止めるためメキシコが、移民側に難民申請を条件に住居等を手配する案を示したが、移民側はこれを拒否した。一方、トランプ大統領は移民の入国を阻止するため軍を派遣することを決定し、入国を阻止する考え。米兵800~1000人をメキシコとの国境地帯に派遣する方針だと報じた。マティス国防長官が近く派遣を正式に承認する。このまま移民が米国境付近まで進めば、一発触発となり、メキシコも混乱に陥る可能性がある。国境地帯では、既に約2千人規模の州兵部隊が支援活動を展開している。


【メキシコ経済指標】
30日火曜日
23:00 第3四半期GDP前年比(速報値)前回2.6%  予想2.7%
28:00 9月財政収支前回MXN-31.45B  予想MXN -36.15B

11月1日木曜日
11:00 10月景況感前回50 予想51.8
24:30 10月製造業PMI前回51.7


peso1029

*予想レンジ:5.60円~5.90円


情報提供:(株)みんかぶ
※チャートの著作権は、(株)みんかぶに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)みんかぶは一切の責任を負いません。