【東京白金は保ち合いが続きそう】
*先週の東京白金は反落した。ファンドは9月25日に売り越しから買い越しに転じているが、NY白金の800ドル以下の水準は割安感が強いということが認識されたからだろう。10月16日時点で買い越しは1万3000枚台に達したが、23日には1万1660枚台に減少している。金が株安や地政学的リスクで買われるのに対し、同じ貴金属である白金はディーゼル車の排ガス除去触媒に主に使用されるため、割安感が解消されれば積極的に買われてこない。欧州ではディーゼル車は生産減少している上に、2040年までに全廃される。需要の先細りがあるため、高値を追いかけて買っていくという展開にはなりにくい。

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同じ白金族であるパラジウムは北米のガソリン車の生産・販売が好調な上、主要生産国であるロシアの供給減少から需給のタイト化が懸念されている。NYパラジウムは年初来高値を更新しており、白金はパラジウムに対する割安感から買われるものの限界があろう。企業業績への不安を背景とする世界的な株安や、貿易摩擦の激化が経済成長に与える影響が懸念されており、非鉄金属や白金等の工業向け商品(コモディティー)に対する需要も様子見となりやすい。東京白金は3000円を挟んだレンジで保ち合いが続きそうだ。

*東京白金予想レンジ:2800~3100円

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*CFTC建玉10月23日時点:ファンドの白金買い越しは1万1662枚(前週比-1418枚)と減少。総取組高は7万4436枚と前週比-1111枚の減少。

*白金と金の逆ザヤは、7月3日に1526円と過去最大幅を記録した。縮小に転じ上値抵抗線だった1350円を一時上抜けたが、継続せずに反落に転じた。 しかし、1500円の逆ザヤは過去のパターンからは白金の割安感が意識されるため、「白金買い・金売り」が有利となりそうだ。
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