【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は上昇した。原油相場が供給過剰懸念からほぼ一本調子で下落していることを受けて、原油輸入国であるトルコでは、貿易赤字が減少するとお見方が強まり、リラを押し上げた。

また、英国の欧州連合(EU)離脱への懸念からポンドが急落したこともリラを押し上げたようだ。トランプ大統領がテロの首謀者と見なされているギュレン氏をトルコへ引き渡すために、保護に関係する機関に、法的な術を見つけるよう指示を出したとの報道も好感されたようだ。

*今週のトルコリラ円は、保ち合いで推移しそうだ。トルコリラのインプライドボラティリティ(予想変動率)が8月上旬以来の低水準で推移し、トルコリラの急落懸念が後退している。トルコ中銀の利上げや米国との関係改善からリラに対する懸念が後退していることに加え、原油相場の下落が要因のようだ。トルコは原油をほぼ100%輸入しており、原油価格の下落はインフレ率の緩和につながる。今週は、トルコ独自の材料に欠けるため、ドル、ユーロ、ポンドの動向に影響される展開になろう。

トランプ大統領は17日、2016年のトルコのクーデター未遂を巡りトルコ政府が首謀者と断定した在米イスラム指導者ギュレン師のトルコ送還について「検討していない」と述べた。トルコ側が強く要請しており、米NBCテレビは15日、複数の政府高官の話として、ギュレン師のトルコ送還を検討していると報じていた。トランプ大統領は、トルコ政府やエルドアン大統領との関係が非常に良好だと強調した上で「できることは何でもするが、送還は現時点ではない」と述べた。

トルコ政府は、国内在住の外国人市民に対し、外貨建てでの不動産契約の締結を認める。通貨リラを下支えするために導入した規制を修正した。トルコ政府は9月、不動産の売買・賃貸契約を外貨建てで行わず、リラ建てで行うよう義務付けた。外貨の利用を禁止し、リラ相場を下支えすることが狙いだった。トルコ政府は、自由貿易区で外貨連動型の不動産契約を締結することも認めた。トルコ政府は先月、輸出契約などビジネス契約での外貨利用禁止を免除すると発表している。


【トルコ経済指標】
21日水曜日
16:00 10月住宅販売前年比前回-9.2%

22日木曜日
16:00 11月消費者信頼感指数前回57.3


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*予想レンジ:19.50円~21.50円


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