11月30日(金)
【11月29日の海外相場および市況】
ny1129

*29日のNY外国為替市場では、米利上げの早期打ち止め観測を受けた円買い・ドル売りが続き、ドル円は113円台半ばに軟化した。113円43〜53銭。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が前日の講演で、利上げ局面の終了が近づいていると示唆したことを受けたドル売りの流れが継続。10月米個人消費支出(PCE)物価指数は、食料品とエネルギーを除いたコア指数が市場予想を下回ったこともあり、一時113円19銭まで下落した。公表された前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、政策金利について、複数の参加者が景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」に迫りつつあると言及していたことが判明。前日のパウエル議長の発言が担保された形で、来年以降の利上げは柔軟に判断されるとの観測が浮上したこともドル売り要因となった。しかし、週末に開かれる米中首脳会談で双方が貿易問題で歩み寄るとの期待からドルは徐々に買い戻された。

*29日のNY金は小幅高となった。1230.40ドル(+0.60)。前日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて、米利上げが想定よりも早期に終了するとの見方が広がったことから、金利を生まない資産である金には買いが継続した。ただ、前日の上伸の反動からこの日は利益確定の売りも出やすかった。引け後に発表された11月7、8両日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、12月のさらなる利上げを支持する意見が多く出たが、複数の参加者は、政策金利が景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」に迫りつつあると言及し、利上げ局面の終了時期が近づいているとの認識を示した。ただ、まだ利上げがあるため、金買いにはつながらなかったようだ。NY白金は3日続落。820.90ドル(-5.40)。ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)報告で供給過剰見通しが示されたことが嫌気された。

*29日のNY原油は、ロシアのプーチン大統領が協調減産の必要性を認めたとの報を受けて、3日ぶりに反発した。51.45ドル(+1.16)。米エネルギー情報局(EIA)が前日に発表した最新週の国内原油在庫は前週比360万バレル増と、市場予想の80万バレル増を大幅に上回る積み増しとなり、石油輸出国機構(OPEC)盟主であるサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が前日、サウジ単独での減産は行わないと表明していたことから、売りに拍車が掛かり、約1年1カ月ぶりに節目の50ドルも割り込み、一時49.41ドルの安値を付けた。ただ、ロシアのプーチン大統領は28日、原油価格について同国としては60ドルなら満足できるとの見解を示した上で、「OPECとは連絡を取り合っており、必要に応じて共同の取り組みを続ける用意がある」と言及。来週開かれるOPEC総会で協調減産が決定されるのではないかとの期待が広がり、買い戻しが入って相場はプラス圏に回復した。

*29日のシカゴトウモロコシはまちまち。373.25セント(変わらず)。米農務省発表の週間輸出統計が予想を上回る強い内容となったことが支援材料となり、大豆油安の影響を相殺した。

シカゴ大豆は反落。887.25セント(-3.25)。今週の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて行われる、米中通商協議を控えて、ポジション調整が行われた。

*29日のNYダウは、米中首脳会談を控えて様子見が広がり、4営業日ぶりに小反落した。2万5338.84ドル(-27.59)。前日の大幅高の反動で利益確定の売りが先行。米中両国は貿易問題を協議するための首脳会談を週末に予定している。公表された前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、政策金利について、複数の参加者が景気を過熱も冷やしもしない「中立金利」に迫りつつあると言及していたことが判明。前日のパウエル議長の発言が担保された形で、来年以降の利上げは柔軟に判断されるとの観測が浮上し、ダウは徐々に下げ幅を縮小した。


【30日の経済指標】
06:45   (NZ) 10月 住宅建設許可件数 [前月比]  -1.5%  
08:30   (日) 10月 失業率  2.3%   
08:30   (日) 10月 有効求人倍率  1.64   
08:30   (日) 11月 東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く) [前年同月比]  1.0%  
08:50   (日) 10月 鉱工業生産・速報値 [前月比]  -0.4%  ― 
08:50   (日) 10月 鉱工業生産・速報値 [前年同月比]  -2.5%   
09:01   (英) 11月 GFK消費者信頼感調査  -10   
10:00   (中) 11月 製造業購買担当者景気指数(PMI)  50.2   
14:00   (日) 10月 新設住宅着工戸数 [前年同月比]  -1.5%   
14:00   (日) 11月 消費者態度指数・一般世帯  43.0   
16:00   (トルコ) 10月 貿易収支  -18.7億ドル   
19:00   (欧) 10月 失業率  8.1%   
19:00   (欧) 11月 消費者物価指数(HICP、速報値) [前年同月比]  2.2%   
19:00   (日) 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00   (南ア) 10月 貿易収支  -30億ランド   
22:30   (加) 7-9月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比年率]  2.9%   
23:45   (米) 11月 シカゴ購買部協会景気指数  58.4   


第191回 『おしえて陳さん』 
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