12月12日(水)
【12月11日の海外相場および市況】
ny1211

*11日のNY外国為替市場では、米長期金利の小幅上昇を背景に円売り・ドル買いが優勢となり、ドル円は113円台前半で堅調に推移した。113円33〜43銭。この日は、米中貿易摩擦の緩和に向けた両国の協議が進展するのではないかとの期待が広がり、NYダウが大幅上伸。リスク回避姿勢が後退する中、円売り・ドル買いが優勢となった。ただその後、トランプ大統領と野党民主党の上下両院トップがメキシコ国境の壁建設予算をめぐって意見が激しく対立。年末の政府閉鎖の回避策を模索する協議だったが、逆に双方の溝の深さが浮き彫りとなったため、政府機関閉鎖への警戒感が強まった。一時的にドルが売られる場面もあったが、いったん低下していた米長期金利が小幅ながら反転上昇したことから、再びドル買いが優勢となった。

*11日のNY金は、新規の手掛かり材料に乏しい中、小幅続落した。1247.20ドル(-2.20)。外国為替市場では朝方にかけてドルが対ユーロで軟化し、ドル建て金に割安感が広がる中、金も買いが先行した。その後、ドルがユーロに対して堅調を取り戻すと、金相場は割高感から売り戻され、マイナス圏に沈んだ。ただ、下げ幅は限定的。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ局面が想定よりも早期に終了するとの観測がくすぶっており、金利を生まない資産である金の下値を支えている。パウエルFRB議長をはじめ複数のFRB高官が最近相次ぎ、金利が中立的な水準に近づいているとの見解を示しているため、18、19両日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に発表される声明では、今後の金融政策運営についてハト派的な姿勢が示されるとの見方が台頭している。

NY白金は反発。785.50ドル(+3.40)。


*11日のNY原油は、投資家のリスク選好意欲が回復する中、反発した。51.65ドル(+0.65)。トランプ大統領はこの日ツイッターに、「中国とは極めて建設的な対話が行われている。重要な発表に注目するように」と書き込んだ。これを受けて、米中間の貿易摩擦緩和に向けた協議に何らかの進展があるのではないかとの期待が広がったことから、NYダウは堅調に推移。同じくリスク資産である原油にも買いが入った。リビア国営石油会社(NOC)が10日、民兵に油田を占拠されたとして、同国最大のエルシャララ油田からの原油輸出について不可抗力条項の発動を宣言したことも支援材料。エルシャララ油田の停止により日量31.5万バレルの生産が失われ、エルフィール油田でも7.3万バレルの生産が失われる見通し。このほか、石油輸出国機構(OPEC)が7日、ロシアなど非加盟国を交えた拡大会合で主要生産国が日量約120万バレルの削減で合意、来年1月から減産を実施すると発表したことも引き続き相場を支えた。ロシアは、1月の減産幅を日量5万〜6万バレルにとどめ、合意水準の22万バレルまで段階的に引き上げる意向を明らかにした。ただ、ダウが午後に入りマイナス圏に転じた上、外国為替市場ではドル高・ユーロ安が進行し、ドル建て原油に割高感が生じたことから、上値は抑えられた。

*11日のシカゴトウモロコシは小反発。384.75セント(+0.75)。米農務省がこの日発表した12月の農産物需給報告は圧迫材料だったが、大豆につれ高となった。需給報告では、2018〜19年度の米国産トウモロコシの期末在庫予測が17億8100万ブッシェルと前月から上方修正された。世界全体のトウモロコシの期末在庫予測は、3億0880万トンと、市場予想平均の3億0759万トンを上回った。

シカゴ大豆は反発。915.00セント(+5.25)。中国による米農産品の購入期待が広がった。米農務省は11日発表した12月の需給報告で、2018〜19年度の世界全体の大豆の期末在庫予測を1億1533万トンと、前月の1億1208万トンから上方修正した。

*11日のNYダウは、米連邦予算案をめぐる協議が難航し、政府機関が閉鎖されることへの懸念から反落した。2万4370.24ドル(-53.02)。トランプ米大統領はツイッターに「中国とは極めて建設的な対話が行われている。重要な発表に注目するように」と投稿。また、中国が米国車に課している報復関税の引き下げに動くと報じた。市場では米中間の貿易摩擦緩和への期待が広がり、一時368ドル高まで上昇した。しかしその後、トランプ大統領が野党民主党の上下両院トップと面会し、メキシコ国境の壁建設費用が2019会計年度予算案に盛り込まれなければ「国境の安全対策(予算)のために喜んで政府を閉鎖する」と断言したことが嫌気され、ダウはマイナス圏に沈んだ。


【12日の経済指標】
未定   (メキシコ) 休場 
08:30   (豪) 12月 ウエストパック消費者信頼感指数  104.3   
08:50   (日) 11月 国内企業物価指数 [前月比]  0.3%   
08:50   (日) 11月 国内企業物価指数 [前年同月比]  2.9%   
08:50   (日) 10月 機械受注 [前月比]  -18.3%   
08:50   (日) 10月 機械受注 [前年同月比]  -7.0%   
13:30   (日) 10月 第三次産業活動指数 [前月比]  -1.1%   
17:00   (南ア) 11月 消費者物価指数(CPI) [前月比]  0.5%  0.2% 
17:00   (南ア) 11月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  5.1%  5.1% 
19:00   (欧) 10月 鉱工業生産 [前月比]  -0.3%   
19:00   (欧) 10月 鉱工業生産 [前年同月比]  0.9%   
20:00   (南ア) 10月 小売売上高 [前年同月比]  0.7%  1.5% 
21:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  2.0%  
22:30   (加) 7-9月期 四半期設備稼働率  85.5% 
22:30   (米) 11月 消費者物価指数(CPI) [前月比]  0.3%  0.0% 
22:30   (米) 11月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  2.5%  2.2% 
22:30   (米) 11月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前月比]  0.2%  0.2% 
22:30   (米) 11月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比]  2.1%  2.2% 

第192回 『おしえて陳さん』 
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