12月13日(木)
【12月12日の海外相場および市況】
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*12日のNY外国為替市場のドル円相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融政策会合を来週に控えて、113円台前半に反落した。113円22〜32銭。11月米消費者物価指数(CPI)は季節調整後で前月比横ばい、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は0.2%上昇。全体、コアともに前年同月比2.2%上昇し、いずれも市場予想と一致したため、市場の反応は限定的だった。米中貿易摩擦の緩和期待から米株式が上昇。これを受けて長期金利は上昇したが、ドル円は欧州通貨高・ドル安に圧迫された。ウォール・ストリート・ジャーナルが、技術覇権を目指しているとしてトランプ政権が問題視するハイテク産業振興戦略「中国製造2025」について、中国側が見直しを検討していると報道。これを受けて米中貿易摩擦の緩和期待から米株高・債券安となった。一方、メイ英首相の不信任案が否決されたことでポンドが上昇し、ユーロも買いが強まったことでドルが下落。その余波で、ドル円もやや売られた。

*12日のNY金は、対ユーロでのドル安先行に伴う割安感などを背景に買いが入り、3日ぶりに反発した。1250.00ドル(+2.80)。11月米消費者物価指数(CPI)は季節調整後で前月から横ばい、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は0.2%上昇と、いずれも市場予想と一致した。これを受け、外国為替市場ではユーロに対してドル安が進行し、ドル建て金に割安感が生じたことから、金が買われた。また、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ局面が想定よりも早期に終了するとの観測が浮上していることも、金利を生まない資産である金には買いが入りやすかった。

NY白金はドル安を受けて大幅続伸。807.10ドル(+21.60)。

*12日のNY原油は、供給過剰感の後退を背景に買い優勢で推移していたものの、引け間際に急速に売りが膨らみ、マイナス圏に沈んだ。51.15ドル(-0.50)。米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計によると、7日までの1週間の国内原油在庫は前週比120万バレル減だったが、市場予想は300万バレル減だった。原油在庫の減少幅が120万バレルにとどまったことに対する失望売りが広がった。EIAは前日、2018年の米産油量の伸びを下方修正した。ほか、石油輸出国機構(OPEC)もこの日発表の月報で11月の産油量がわずかに減少したことを明らかにした。イランのザンギャネ石油相が石油輸出国機構(OPEC)内部の対立を明らかにしたことも悪材料となり、OPEC主導の協調減産やリビアの輸出減少を背景とした強材料を打ち消した。

石油輸出国機構(OPEC)が12日発表した月報によると、加盟国の11月の産油量は前月比0.03%減の日量3296万5000バレルとなった。米国の追加制裁の影響で、イランの産油量の落ち込みが目立った。OPECは原油価格てこ入れのため、来年1月から日量80万バレル(他の主要産油国との合計では120万バレル)の減産に踏み切ることを決めている。11月を国別に見ると、米国の追加制裁を受け、イランが11.4%減の295万4000バレルに減少。最大の産油国サウジアラビアは3.5%増の1101万6000バレルに増やした。原油価格の急落もあり、アルジェリア、コンゴ、ガボン、イラク、リビア、ナイジェリア、ベネズエラも前月比で減産していた。11月の世界全体の産油量は0.5%増の1億0064万バレル。OPECが占める割合は0.2ポイント低下の32.8%となった。

*12日のシカゴトウモロコシは続伸。385.25セント(+0.50)。米中貿易交渉が進展し、中国が大豆に加えて、トウモロコシや他の米国産農産物を購入するのではないかとの期待感が支援材料になった。米エネルギー情報局(EIA)は12日、同国のトウモロコシ由来のエタノール生産量が日量105万バレル、在庫が2289万バレルに減少したと発表した。

シカゴ大豆は続伸。920.00セント(+5.00)。中国が、今月初めの米中首脳会談以来、初めて米国産大豆を購入したことが好感された。中国国営の複数の企業が少なくとも50万トン(1億8000万ドル超相当)の米国産大豆を購入した。


*12日のNYダウは、通商問題をめぐる米中対立の緩和期待から反発した。2万4527.27ドル(+157.03)。市場が最大のリスク要因と位置付けている米中対立の行方に緩和の兆しが見え始めてきたことが好感された。ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は12日、技術覇権を目指しているとしてトランプ政権が問題視する中国のハイテク産業振興戦略「中国製造2025」について、中国側が見直しを検討していると報道。また、トランプ大統領は、中国が「膨大な量」の米大豆を購入していると述べるなど、対立緩和を期待できる前向きなニュースが相次ぎ、買い戻しが入った。ボーイングやキャタピラーなど中国市場への依存度の高い銘柄が相場全体を押し上げ、上げ幅は一時450ドルを超えた。


【13日の経済指標】
08:50   (日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)  
08:50   (日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 
09:01   (英) 11月 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数  -10
16:00   (独) 11月 消費者物価指数(CPI、改定値) [前月比]  0.1% 
16:00   (独) 11月 消費者物価指数(CPI、改定値) [前年同月比]  2.3% 
17:30   (スイス) スイス国立銀行3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値  -0.75%  -0.75% 
18:30   (南ア) 11月 卸売物価指数(PPI) [前月比]  1.4%  0.4% 
18:30   (南ア) 11月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比]  6.9%  6.8% 
20:00   (トルコ) トルコ中銀、政策金利  24.00%  24.00% 
21:45   (欧) 欧州中央銀行(ECB)政策金利  0.00%  0.00% 
22:30   (欧) ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見 
22:30   (加) 10月 新築住宅価格指数 [前月比]  0.0%   
22:30   (米) 11月 輸入物価指数 [前月比]  0.5%  -0.8% 
22:30   (米) 11月 輸出物価指数 [前月比]  0.4%  
22:30   (米) 前週分 新規失業保険申請件数 
22:30   (米) 前週分 失業保険継続受給者数


第192回 『おしえて陳さん』 
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