【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は、上下に動いたが、結局下落して引けた。11日に発表された10月製造業生産は予想を上回り、2016年6月以来の高水準となった。また、格付け会社S&P社が南アフリカの国営電力会社ESKOMの格付けをジャンクのまま据え置きと発表した。12日に発表された11月消費者物価指数(CPI)は前年比+5.2%と前回+ 5.1%、予想+ 5.1%をいずれも上回った。一方、米11月消費者物価指数(CPI)が前月から横ばいとなり、米利上げ回数が想定より少なくなるとの見方が広がりドルが下落し、ランドが押し上げられた。13日に発表された11月生産者物価指数(PPI)は前年比+6.8%、前回+6.9%、予想+6.8%だった。

*今週の南アランド円は上値の重い展開が続きそうだ。SARBは11月の会合で、長期的なインフレ見通しへのリスクが高まっているとして、0.25%の利上げを決定し、政策金利を6.50%から6.75%に引き上げた。利上げは2016年3月以来、2年8カ月ぶりだった。先週発表された11月消費者物価指数(CPI)は前年比+5.2%と、市場予想の+5.1%を上回り、10月の+5.1%から上昇率がやや加速。2017年5月以来の強い伸びとなった。南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)が目標とするインフレ率(3.0~6.0%)に収まったものの、中央値の4.5%から離れていた。そのため、追加利上げも予想されているが、11月生産者物価指数(PPI)が前年比+6.8%、前回+6.9%、予想+6.8%と伸び悩んでいたことから、利上げサイクルには至らないとの見方が広がっている。

追加利上げを行えば、低迷する南アフリカ景気をさらに落ち込ませる可能性が強い。南アフリカ経済は2018年7-9月期にプラス成長(前期比年率+2.2%)だったものの、その前の2四半期(1-3月期、4-6月期)はいずれもマイナス成長だった。市場は、来年5月まで金利の引き上げは行われないと予想しているようだ。今週は18、19日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。米連邦準備制度理事会(FRB)は今年4回目の利上げを決定する見込みだが、声明で来年の利上げに関して、ハト派的な姿勢を示唆すればドルが軟化すると見られている。そうなった場合、新興国通貨は買い戻され反発に転じよう。

【南アフリカ経済指標】
18日火曜日
16:00 10月景気先行指数前回104.7

21日金曜日
21:00 11月財政収支前回-327億ZAR

zar1217

*予想レンジ:7.70円~8.00円


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