12月24日(月)
【12月21日の海外相場および市況】
ny1221

*週末21日のNY外国為替市場のドル円相場は、111円台前半で小動きとなった。111円16~26銭。リスク回避姿勢が強まった海外市場の流れを引き継いで一時110円94銭まで下落した。しかしその後、NY連邦準備銀行のウィリアムズ総裁がインタビューで、景気が減速すれば2019年に想定する年2回の利上げ回数を見直す考えを表明したことから、米経済の先行きに対する過度の懸念が後退。これを受け、NYダウが大きく上昇したため、円も売り戻された。米商務省が発表した7~9月期実質GDP(国内総生産)確定値は、11月発表の改定値から下方修正されたものの、11月の個人消費支出は増加した。ただ、米連邦政府の暫定予算がこの日失効するのに伴う新たなつなぎ予算案をめぐる与野党協議が引き続き難航。暫定予算が切れると、政府機関の一部が閉鎖に追い込まれ、経済にも悪影響を与える可能性があるため、ドルの上値も重く、ドル円は111円台前半で保ち合いとなった。

CFTC建玉12月18日時点:ファンドのドル買い・円売りは10万2771枚(前週比+5165枚)と増加した。総取組高は21万4868枚と前週比1813枚の増加。

*週末21日のNY金は、前日に約半年ぶりの高値を付けた反動から利益確定の売りが出て、5営業日ぶりに反落した。1258.10ドル(-9.80)。前日の金相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が来年の利上げ想定回数を引き下げたことに加え、世界的な景気減速懸念を背景に買われ、約半年ぶりの高値を付けていた。この日はその反動から利益を確定する動きが先行。ただ、この日発表された米経済指標がおおむねさえない内容だった上、NYダウが不安定な値動きを続ける中、安全資産としての買いも入り、下値は限定的だった。

CFTC建玉12月18日時点:ファンドの金買い越しは7万5960枚(前週比+1万5461枚)と増加した。総取組高は41万2485枚と前週比1万0235枚の増加。

*週末21日のNY白金は、795.80ドル(変わらず)。

CFTC建玉12月18日時点:ファンドの白金買い越しは1万1387枚(前週比+396枚)と増加。総取組高は8万2939枚と前週比389枚の増加。

*週末21日のNY原油は、世界的な供給過剰懸念や週末要因などを背景に続落した。45.59ドル(-0.29)。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国は今月に入り、日量約120万バレル削減の協調減産を来年1月から実施することで合意。ただ、足元では米国やサウジアラビア、ロシアで産油量が記録的な水準に達しているとの情報が伝えられる中、この程度の協調減産では効果が不十分との見方も浮上しているため、安値圏でも買いが入りにくかった。また、1週間の国内石油掘削リグ稼働数は前週比10基増の883基と、リグ稼働数が3週間ぶりに増加に転じたことも相場の重石となった。来年にかけての世界経済の力強さが不安視され、原油相場は主要株式市場につれ安した。最大需要国の米国で政府機関が一部閉鎖される可能性があることも、警戒感を強めた。
       
CFTC建玉12月18日時点:ファンドの原油買い越しは30万9608枚(前週比+102枚)と増加。総取組高206万3376枚と前週比1万2742枚の増加。

*週末21日のシカゴトウモロコシは買い戻しに反発。378.50セント(+3.25)。中国が米国との貿易戦争休戦合意の一環として、米国産トウモロコシを近く購入するとの期待が支援要因。ただ、主要輸出国のブラジルとアルゼンチンで、乾燥していた産地に降雨があり、イールドの見通しが改善されたことで上げ幅は抑えられた。

CFTC建玉12月18日時点:ファンドのトウモロコシ買い越しは20万3128枚(前週比+3万1418枚)と増加。総取組高は157万6445枚と前週比1997枚の減少。

*週末21日のシカゴ大豆は続落、3週間ぶりの安値をつけた。884.75セン(-8.75)。中国の米国産大豆購入が予想より鈍いペースなのに加え、南米の生産見通しの改善が相場を圧迫した。中国は米大豆購入の第3弾を近く決めるとみられている。それが決まれば、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が90日間の貿易戦争休戦に合意して以降、購入高は計500万トンを超える可能性がある。

CFTC建玉12月18日時点:ファンドの大豆買い越しは1万4531枚(前週比+8600枚)と増加。総取組高は73万8470枚と前週比756枚の減少。

*週末21日のNYダウは、米政府機関が一部閉鎖されるとの懸念から大幅続落した。2万2445.37ドル(-414.23)。下げ幅は一時460ドル超となった。ダウの週間での下落幅は2008年10月以来の大きさとなった。NY連銀のウィリアムズ総裁が経済指標次第では2019年に2回を想定する利上げ回数を見直すとの考えを米テレビのインタビューで表明。これを好感し、株価は買いが先行していたが、経済の先行きや政府機関閉鎖をめぐる懸念を払拭するには至らず、ハイテク株が売られ、マイナス圏に沈んだ。ナバロ米大統領補佐官が対中貿易協議について「合意は難しい」と発言したことも株価を下押しし
た。


第194回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/