12月25日(火)
【12月24日の海外相場および市況】
ny1224

*週明け24日のNY外国為替市場では、米政局の先行き不透明感などを背景に投資家のリスク回避姿勢が強まる中、ドル円は110円台前半に下落した。110円38〜48銭。米連邦政府の暫定予算が22日に失効し、政府機関の一部が閉鎖に追い込まれた問題をめぐり、議会与野党の対立が解けないまま閉鎖が長期化すれば米経済に悪影響が及ぶのではないかとの懸念が広がった。政府機関の閉鎖懸念のほか、世界的な景気減速への警戒感もドル円を圧迫。ムニューシン米財務長官が23日、米金融大手6社の首脳と協議し、「首脳らが融資のための十分な流動性を確保していることを確認した」との声明を発表したが、むしろ流動性への不安を広めたようで、リスクオフに拍車がかかった。

*NY金は大幅反発。1271.80ドル(+13.70)。終値は6月20日以来約半年ぶりの高値となった。米連邦政府予算の失効に伴う一部政府機関の閉鎖が年明けにもおよぶとの可能性が浮上し、市場心理を圧迫した。また、世界的な景気減速懸念がくすぶる中、この日もNYダウが大幅安で始まり不安定な値動きとなったことから、リスク回避の動きが金にも波及し、一時1272.80ドルまで上昇した。外国為替市場では、ドルが対ユーロで下落する場面もあり、ドル建て金に割安感が生じたことも金買いに拍車を掛けた。

NY白金は下落。789.40ドル(-6.40)。

*週明け24日のNY原油は大幅続落。42.53ドル(-3.06)。終値は2017年6月21日以来約1年半ぶりの安値を付けた。この日のNYダウは、米政府機関の一部閉鎖が長期化するのではないかとの懸念などを背景に大幅続落。株価が下げ足を速める中、市場心理が悪化したことから、同じリスク資産である原油にも売りが波及した。

米中貿易摩擦をめぐる協議に大きな進展が見られない中、世界的な景気減速懸念も根強く、エネルギー需要見通しに不安が広がっていることも、下押し要因。アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相は23日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国の主要産油国が合意した来年1月からの協調減産に関連し、この減産合意でも原油市場の需給均衡につながらなければ必要な措置を講じる用意があると発言。ただ、米国やサウジアラビア、ロシアの産油量が記録的な高水準にとどまっており、OPEC主導の協調減産効果に懐疑的な見方も依然くすぶっているため、相場の押し上げ材料にならなかった。世界的な景気減速懸念から、北海ブレント原油も、17年8月17日以来の安値となった。

*週明け24日のシカゴトウモロコシは反落。377.75セント(-0.75)。市場は、米中貿易戦争「休戦」の一環として、中国がまもなく米国産トウモロコシを買い入れることを期待しているが、中国向け売却は今のところ確認されていない。

シカゴ大豆は続落。897.00セント(-0.75)。予想を下回る中国向けの大豆売却が嫌気された。南米の天候改善も重石となった。


*週明け24日のNYダウは、米政府機関の一部閉鎖が長期化する可能性が浮上し、経済への影響が懸念される中、4営業日大幅続落した。2万1792.20ドル(-653.17)。午後1時までの短縮取引だったほか、休暇シーズンで市場参加者が少なく、悪材料に大きく反応した。政府機関閉鎖の長期化懸念に加え、トランプ大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の解任を議論しているとの前週末の報道も相場の重石となった。この日、トランプ氏がツイッターで「米経済が抱える唯一の問題がFRBだ」と投稿したことも売りに拍車を掛けた。ムニューシン財務長官は23日、米金融大手6社の首脳と協議し、「首脳らが融資のための十分な流動性を確保していることを確認した」との声明をツイッターで投稿。ただ、相場の押し上げにはつながらなかった。市場に安心感を与える目的だったのだろうが、逆に不安があおられたようだ。


【25日の経済指標】
*米・欧・加・豪・NZ・南ア休場
08:50   (日) 11月 企業向けサービス価格指数 [前年同月比]  1.3%   
14:00   (日) 10月 景気先行指数(CI)・改定値  100.5   
14:00   (日) 10月 景気一致指数(CI)・改定値  104.5   


第194回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/