1月8日(火)
【1月7日の海外相場および市況】
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*週明け7日のNY外国為替市場では、米中通商協議の進展期待などを背景に円売り・ドル買いが優勢となり、ドル円は108円台後半に上昇した。108円65〜75銭。先週末のパウエルFRB議長のハト派的発言を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が想定する今年2回の追加利上げ観測が後退していた。

パウエルFRB議長は、「市場が発するリスクを注視し、今後の政策運営で考慮する」などと発言し、利上げペースを緩める可能性に言及していた。

そのため、当初は108円台前半で推移していた。2018年12月米ISM非製造業景況指数が前月から低下し、市場予想も下回ったが、ドルを売る動きは限定的だった。その後は、米長期金利の上昇に加え、この日から始まった次官級の米中通商協議の進展期待などを背景に米株が反発すると、円売り・ドル買いが進行し一時108円75銭まで上昇した。

12月米ISM非製造業総合景況指数は57.6と、5カ月ぶりの低水準。市場予想の中央値(58.5)も下回った。11月は60.7だった。新規受注は堅調さを維持したものの、景況感や雇用の指数が鈍った。先週発表された12月の米ISM製造業総合景況指数も、2008年10月以来の大幅低下と振るわなかった。


*週明け7日のNY金は、対ユーロでのドル安進行に伴う割安感による買いなどに支えられ、反発した。1289.90ドル(+4.10)。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースが減速するとの観測が広がり、ドルが対ユーロで下落し、ドル建て金は割安感から買われ、一時1297.00ドルまで上昇した。その後は利食い売りが出たものの、下値では買い支えも入り、プラス圏を維持した。FRBの利上げ局面が想定よりも早期に終了するとの臆測が浮上していることも、金利を生まない資産である金塊の相場を下支えしたもよう。パウエルFRB議長は4日、「インフレが落ち着いている状況では、利上げ判断は忍耐強くなる」と言及、引き上げペースを見直す可能性を示唆した。

NY白金は利益確定売りに反落。824.30ドル(-2.90)。パラジウムは5日続伸し、過去最高値を更新した。高水準の需要と供給減による持続的な不足を背景にファンドの買いが継続しているようだ。パラジウムは自動車の排出ガスを抑制する触媒に使用される。


*週明け7日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産への期待などを背景に買いが入り、6営業日続伸した。48.52ドル(+0.56)。OPEC加盟・非加盟国が今月から日量120万バレルの協調減産を実施。また、ロイターの調査によると、OPECの12月の産油量が日量3268万バレルと前月から46万バレル減少し、月間の減少幅が2017年1月以来の大きさとなった。これを受けて、需給不均衡に対する過度の懸念が後退した。また、調査会社ジェンスケープによる報告で4日までの週の米オクラホマ州クッシングの原油在庫が約56万5000バレル減少したことも支援材料。この日は米株が堅調に推移したため、株と並んでリスク資産とされる原油にも買いが入りやすかった。また、外国為替市場ではドル安・ユーロ高が進行し、ドル建て原油に割安感が生じたことも支援要因となった。さらに、米中両政府は7日から2日間の日程で次官級の貿易協議を開始し、両国の貿易摩擦回避に向けた協議の進展に期待が広がったことも原油相場の押し上げにつながった。ただ、米金融大手ゴールドマン・サックスが北海ブレントの2019年の原油価格見通しを下方修正したことから、上値はやや抑えられたもようだ。

*週明け7日のシカゴトウモロコシは4日ぶりに反落。382.25セント(-0.75)。前日に2週間半ぶりの高値を付けたことを受けた利食い売りが出た。一方、ドル安が相場を下支えした。

シカゴ大豆は4日続伸。924.25セント(+2.75)。ブラジルの産地での乾燥した天候予報や、中国企業が米国産大豆を新たに購入したとの報を受け買われた。


*週明け7日のNYダウは、米中の次官級貿易協議への期待感から続伸した。2万3531.35ドル(+98.19)。米中貿易戦争の激化が昨年末からの株価急落の一因となっていたため、7日から北京で始まった米中両国政府による次官級の貿易協議の進展が期待された。ロス商務長官は7日「両国が受け入れ可能な合理的な合意を得られる可能性は大きい」と楽観的な見通しを示した。また、4日発表の雇用統計が好調な結果だったことに加え、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が討論会で利上げペースを見直す可能性を示し、市場心理の改善が続いた。


【8日の経済指標】
09:30   (豪) 11月 貿易収支  23.16億豪ドル   
14:00   (日) 12月 消費者態度指数・一般世帯  42.9   
16:00   (独) 11月 鉱工業生産 [前月比]  -0.5%   
16:00   (独) 11月 鉱工業生産 [前年同月比]  1.6%
19:00   (欧) 12月 消費者信頼感(確定値)  -6.2   
19:00   (欧) 12月 経済信頼感  109.5 
22:30   (米) 11月 貿易収支  -555億ドル  -518億ドル 
29:00   (米) 11月 消費者信用残高 [前月比]  254億ドル 

第194回 『おしえて陳さん』 
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