1月18日(金)
【1月17日の海外相場および市況】
ny0117

*17日のNY外国為替市場では、堅調な米経済指標を受けてドル買いが優勢となり、109円台前半に上昇した。109円20〜30銭。金融大手モルガン・スタンレーの決算が市場予想を下回り株価が下落し、リスク回避の動きが強まって一時108円70銭近辺まで下落した。しかし、フィラデルフィア連銀が朝方発表した1月製造業景況指数は総合で17.0と前月(9.1)から上昇し、市場予想平均も上回った。さらに午後には、ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が、トランプ政権が中国からの輸入品に課した制裁関税の撤廃や引き下げを検討していると報じられると、一時109円40銭まで上昇した。ただ、財務省の報道官が報道を否定するなど、今月末に開催される米中間の閣僚協議に不透明感もあってドルは上値遣えとなった。

*17日のNY金は小反落。1292.30ドル(-1.50)。12日までの1週間の新規失業保険申請件数は、季節調整済みで前週比3000件減の21万3000件と、市場予想の22万件を下回った。良好な統計を受けて、外国為替市場ではドルが対ユーロで強含みに推移し、ドル建て金は割高感から売られた。ただ、米政府機関閉鎖の長期化懸念や英国の欧州連合(EU)離脱問題、さらに米中通商協議の行方など、国際情勢の先行き不透明感から安全資産である金の下値はサポートされた。NY白金はパラジウム高に連れて続伸。812.30ドル(+4.40)。

*17日のNY原油は、3日ぶりに反落。52.07ドル(-0.24)。米エネルギー情報局(EIA)が16日に発表した在庫週報では、ガソリンおよびディスティレート(留出油)在庫がいずれも予想を上回る大幅な積み増しに加え、米国内の原油生産量が記録的な高水準である日量1200万バレルに近づいていることが明らかになった。米国の増産傾向で石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産効果が相殺されるのではないかとの観測が強まり、OPECがこの日公表の月報で、2019年のOPEC産原油の需要が前年から日量91万バレル減少するとの予測を示したことが嫌気されて一時50.98ドルまで下落した。OPEC月報では2019年の原油需要見通しを日量3083万バレルと、前年から91万バレル引き下げた。ただ、減産合意発効前の昨年12月に産油量を日量75万1000バレル削減したと述べ、19年の供給過剰は回避される可能性もあることを示唆した。

*17日のシカゴトウモロコシは続伸。380.00セント(+6.00)。50日、100日移動平均など主要な水準の上値抵抗線を突破し、テクニカル的な買いが入った。ブラジルの高温で乾燥した天候や、アルゼンチンの過剰な降雨がトウモロコシの生産に影響を与える懸念も支援材料となった。

シカゴ大豆は急伸。907.75セント(+13.25)。南米の悪天候が、ブラジルやアルゼンチンの大豆収穫に影響を与えるとの懸念から買われた。20日間と50日間の移動平均にある上値抵抗線を突破しし、上昇率は、昨年11月28日以来の大きさとなった。

*17日のNYダウは、米政府が中国に対する関税撤廃などを検討しているとの一部報道を好感し、3日続伸した。2万4370.10ドル(+162.94)。米金融大手モルガン・スタンレーが朝方発表した2018年10〜12月期決算は、一時的な税金費用がかさんだ前年同期に比べ、純利益が2.3倍に拡大。しかし、金融市場の急変動が響き、1株当たりの利益は市場予想平均に届かなかった。前日にゴールドマン・サックスとバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)の好決算で買われていた反動も出て、一時118ドルも下落した。しかし、ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が、トランプ政権が中国からの輸入品に課した制裁関税の撤廃や引き下げを検討していると報じると、市場では米中貿易摩擦の緩和期待が拡大し、中国関連株が買われ一時267ドル高と急伸した。トランプ大統領が中長期のミサイル防衛戦略を公表し、防衛費の増額を示唆したため、防衛関連株も買われ、ダウを押し上げた。


【18日の経済指標】
08:30   (日) 12月 全国消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  0.8%   
08:30   (日) 12月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く) [前年同月比]  0.9%  
08:30   (日) 12月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く) [前年同月比]  0.3%
13:30   (日) 11月 鉱工業生産・確報値 [前月比]  -1.1%   
13:30   (日) 11月 鉱工業生産・確報値 [前年同月比]  1.4%   
13:30   (日) 11月 設備稼働率 [前月比]  4.0%
18:30   (英) 12月 小売売上高 [前月比]  1.4%   
18:30   (英) 12月 小売売上高 [前年同月比]  3.6%   
18:30   (英) 12月 小売売上高(除自動車) [前月比]  1.2%   
18:30   (英) 12月 小売売上高(除自動車) [前年同月比]  3.8% 
22:30   (加) 12月 消費者物価指数(CPI) [前月比]  -0.4%  
22:30   (加) 12月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  1.7%   
23:15   (米) 12月 鉱工業生産 [前月比]  0.6%  0.3% 
23:15   (米) 12月 設備稼働率  78.5%  78.6% 
24:00   (米) 1月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値  98.3  96.4


第195回 『おしえて陳さん』 
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