【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は底堅く推移した。メキシコ株や原油相場の下落を反映してメキシコペソは軟化したが、米連邦準備制度理事会(FRB)が1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ハト派的姿勢を強めるとの観測からドルが下落し、メキシコペソは買い戻された。メキシコ中部で発生したガソリンパイプライン爆発により90人もの死亡が伝えられた。爆発は、政府の燃料窃盗対策により供給不足が生じる中、漏れ出したガソリンを採取しようと多数の住民が集まっていた際に発生したとみられている。

中米から米国を目指して北上する「キャラバン」と呼ばれる移民集団の規模が拡大し、参加者は7千人近くになったという。すでに2500人近くがメキシコ国内に入っているほか、20日には新たに400人規模のキャラバンが発生した。今後もさらに規模が拡大する可能性があるという。メキシコ政府はキャラバン参加者に対して米国を目指す権利を尊重するとしながらも、中米移民に対して厳しい態度を崩さないトランプ米大統領との衝突をさけるためにメキシコ国内にとどまるように呼び掛けている。

*今週のメキシコペソ円は、堅調に推移しそうだ。国際通貨基金(IMF)は21日、2019年と20年の世界経済成長率見通しを下方修正した。欧州や一部の新興国市場の低迷が要因。また貿易摩擦が解決されなければ鈍化しつつある世界経済を一段と揺るがしかねないとの見方を示した。しかし、オブラドール大統領はメキシコの成長率に関して、IMFの成長率予想(2.1%)は外れ、これよりはるかに上昇するという見通しを発表した。新大統領の経済運営にお手並み拝見というところだろう。

メキシコ中銀は昨年11月と12月に連続利上げを行った。政策金利は8.25%に引き上げられ、2008年8月以来の高水準となった。新期政権の政策がインフレを押し上げる恐れがあると警告を発し、追加利上げの可能性を示唆した。2月7日にはメキシコ中銀政策会合が開催される。昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年比+4.83%であり、中銀が目安にしているレンジ(2.0~4.0%)の上限を超えていた。昨年12月に引き続き2月も利上げの可能性は高そうだ。

【メキシコ経済指標】
28日月曜日
23:00 貿易収支前回$-2.382B

30日水曜日
23:00 GDP第4四半期前年比前回2.5% 予想2.2%

2月1日金曜日
23:00 景況感前回49.2

peso0129

*予想レンジ:5.65円~5.85円


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