2月1日(金)
【1月31日の海外相場および市況】
ny0131

*31日のNY外国為替市場では、利上げ中止の可能性を示唆した前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた流れが続き、ドル円は108円台後半に下落した。108円80〜90銭。米週間新規失業保険申請件数が25万1000件と市場予想(21万5000件)を上回ったことが圧迫要因となり、一時108円50銭近辺まで下落。その後は、米中通商協議の行方や翌日の1月米雇用統計を控えて買い戻された。米連邦準備制度理事会(FRB)は前日まで開いたFOMCで、市場の想定通り政策金利の据え置きを決定。さらに景気減速リスクを踏まえ、追加利上げを中止する可能性を示唆したほか、金融引き締め効果のある保有資産の圧縮についても柔軟に取り組む姿勢を示した。この日は、利益確定売りで米株価が下落し、米金利も低下したことからドル買いは弱かった。米中両国の閣僚級貿易協議の結果や米雇用統計の発表を控えて様子見も強く、相場の動きは限定的だった。

*31日のNY金は、ドル安・ユーロ高に伴う割安感などから買われ、続伸した。1325.20ドル(+9.70)。昨年4月24日以来約9カ月ぶりの高値を付けた。米連邦準備制度理事会(FRB)は前日に発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、景気減速リスクをにらんで「緩やかな利上げ方針」を修正し、利上げ棚上げの可能性を示唆。また、バランスシート(保有資産)圧縮策に関しても、縮小ペースの減速や早期終了の可能性を示した。これを受けて、外国為替市場ではドル安・ユーロ高基調が強まり、ドル建て金は割安感から買われた。また、利上げがこれで打ち止めになる可能性が出てきたことも金利を生まない資産である金にとっては追い風となった。

NY白金は3日続伸。824.70ドル(+8.50)。

*31日のNY原油は、対ユーロでのドル反転上昇に伴う割高感などに押され、3日ぶりに反落した。53.79ドル(-0.44)。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国は年初から日量120万バレルの協調減産を実施。ロイター調査によると、OPECの1月の供給量が2年ぶりの大幅な減少となったことが明らかになった。また、米エネルギー情報局(EIA)が前日に発表した週間統計では、米国内の原油在庫の増加幅が市場予想を下回ったほか、ガソリン在庫は増加予想に反して減少したことが明らかになった。また、米政府が28日、ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)を制裁対象に指定すると発表したことも支援要因。しかしその後、外国為替市場でドルが対ユーロで上昇に転じたことから、ドル建て原油に割高感が生じ、相場はマイナス圏に沈んだ。このほか、31日が最終日となる米中閣僚級通商協議の行方が不透明なことも圧迫材料となった。

*31日のシカゴトウモロコシは反落。376.50セント(-4.75)。月末のポジション調整、アルゼンチンでの豊作見通しが重石になった。ブエノスアイレス穀物取引所は、アルゼンチンのトウモロコシ収穫量見通しを4300万トンから4500万トンに上方修正した。予想を上回る豊作という。

シカゴ大豆は反落。915.25セント(-5.75)。ブエノスアイレス穀物取引所は、アルゼンチンの大豆収穫量予想について、数週間にわたる豪雨が収穫に影響を与えるとの懸念が高まる中、5300万トンで据え置いた。


*31日のNYダウは、前日の大幅高を受けた利益確定の売りが優勢となり、小反落した。2万4999.67ドル(-15.19)。今月のダウの上昇率は2015年10月以来の大きさとなり、1月単月の上昇率としては1989年以来の大きさという。米連邦準備制度理事会(FRB)が前日発表した声明で、追加の利上げをいったん据え置くことを示唆し、ここ最近発表された米企業決算の大半が市場予想を上回ったことから、押し目買いも入り、下げ幅は小さかった。米中両政府はこの日までの2日間、閣僚級貿易協議を実施。トランプ大統領は「知財や技術移転問題で進展がみられたが、合意には至らなかった」と説明した。市場では、通商協議の期限となる3月1日まで結論を引き延ばすと見られており、この日に明確な合意内容が出てこないのは想定通りという。


【1日の経済指標】
08:30   (日) 12月 失業率  2.5%   
08:30   (日) 12月 有効求人倍率  1.63   
09:30   (豪) 10-12月期 四半期卸売物価指数(PPI) [前期比]  0.8%  
09:30   (豪) 10-12月期 四半期卸売物価指数(PPI) [前年同期比]  2.1%   
10:45   (中) 1月 Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)  49.7  
16:00   (トルコ) 1月 製造業購買担当者景気指数(PMI)  44.2 
17:55   (独) 1月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 
18:00   (欧) 1月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)  
18:30   (英) 1月 製造業購買担当者景気指数(PMI)  54.2 
19:00   (欧) 1月 消費者物価指数(HICP、速報値) [前年同月比]  1.6% 
19:00   (欧) 1月 消費者物価指数(HICPコア指数、速報値) [前年同月比]  1.0%
22:30   (米) 1月 非農業部門雇用者数変化 [前月比]  31.2万人  16.0万人 
22:30   (米) 1月 失業率  3.9%  3.8% 
22:30   (米) 1月 平均時給 [前月比]  0.4%  0.3% 
22:30   (米) 1月 平均時給 [前年同月比]  3.2%   
23:45   (米) 1月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 
24:00   (米) 12月 建設支出 [前月比] 
24:00   (米) 1月 ISM製造業景況指数  54.1  54.1 
24:00   (米) 1月 ミシガン大学消費者態度指数・確報値  90.7 

第197回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/