【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は堅調に推移しそうだ。先週開催された今年第1回目の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、声明文とパウエルFRB議長の会見内容が、市場のハト派予想を上回るものとなった。声明文では、グローバルな経済金融情勢と物価上昇圧力の抑制に照らして、将来のFFレートの調整では「忍耐強い」姿勢をとるとし、3月利上げの可能性が低下した。同時に発表されたバランスシート正常化に関する声明文では、現在のバランスシート縮小計画を、経済金融情勢次第で見直す用意があることや、将来の緩和ツールとして、利下げ以外に、バランスシート政策を保持することを明記した。そして、「経済見通しへのリスクはおおむね均衡している」、「いくらかのさらなる緩やかな利上げが適切」との文言が削除された。

一方、1月米雇用統計は、非農業部門就業者数が市場予想(16万5000人増)を2倍近く上回る30万4000人増となり、11カ月ぶりの大幅な伸びとなった。失業率は政府機関の一部閉鎖の影響もあり、4.0%と0.1ポイント悪化したが、これは政府機関の閉鎖による影響を受けて一時自宅待機となった政府職員が「失業者」として集計されたことによるものだった。平均時給は前年同月比3.2%増と前月の3.3%増から鈍化したものの、6ヶ月連続で3.0%増を上回り、米経済の底堅さが確認された。

また、1月米ISM製造業景況指数が56.6と市場予想(54.0)を上回り、ミシガン大学消費者景況感指数(1月確報値)も市場予想を上回った。ドル円はFOMCによる下落を打ち消して109円台半ばに反発しているが、米中通商協議の進展期待から110円を目指す展開になりそうだ。

トランプ大統領は米中および米朝の合意が近いとの自信を見せた。CBSに対し、対中貿易協議は「非常に順調」としたほか、北朝鮮は非核化に関する「合意を望んでいる」と発言。

トランプ大統領と中国の習近平国家主席は2月27・28両日にベトナムのダナンで会談することを検討しているとの報道もあった。こうした背景から米株の上昇が予想され、リスクオンモードの強まりからドル買いが優勢となろう。英国の欧州連合(EU)離脱や欧州景気の減速懸念は不透明要因だが、ポンドやユーロの下落は逆にドルを押し上げる可能性もある。


<今週の主な経済指標>
4日は米国11月耐久財受注、5日は米国1月ISM非製造業景況指数、6日は米国11月貿易収支。

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*予想レンジ:108.50円~110.50円


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