【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は、軟調なメキシコ株価、原油安を嫌気して下落した。格付け会社フィッチは29日、1060億ドル相当の債務を抱えるメキシコの国営石油会社ぺメックスの格下げを発表した。「BBB +」から「BBB-」に格下げした。これを受け、メキシコペソは押し下げられた。しかし、ロペスオブラドール大統領は30日、今回の格下げについて、汚職問題は既に解決されており、同社は過去30年で最も好調な状態にあると反論した。

同大統領はフィッチについて、過去にぺメックスが複数の問題を抱えていた際にポジティブな見通しを示したこともあるとして「偽善者」と非難。「これまで静かに傍観してきたのに、ぺメックスが回復途上に乗ったら、等級付けしようとしている」と攻撃した。 ぺメックスの債務総額は中南米諸国の国営石油会社の中では最も多く、ぺメックスの元幹部は格下げによって、ぺメックスへの向かい風が強まると述べている。2018年11月のメキシコ鉱業・金属工業の生産量は前年同月比2.6%減少した。

*今週のメキシコペソ円は、上値の重い展開になりそうだ。今週7日はメキシコ中銀会合が開催される。政策金利は据え置き(8.25%)が予想されている。昨年は11月、12月と2会合連続で利上げを行っていることに加え、直近のインフレ率が低下しているため、今回は様子見となりそうだ。先週1週間で最も下落した通貨はメキシコペソだった。米連邦準備制度理事会(FRB)が1月30日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げに慎重な姿勢を示したことからドルは新興国通貨に対して下落したが、メキシコペソは、2018年の国内総生産(GDP)成長率が3年連続で縮小したことや、同国大手石油メーカーの格付けが引き下げられたことから、経済の先行きに懸念が強まった。

ただ、格付け会社フィッチは先に、メキシコ国営石油会社ペメックスを再び格下げするとしたが、メキシコのソブリン格付けが引き下げられるとは限らないとの見解を示した。ペメックスが抱える債務は約1060億ドルと、中南米の国営石油会社としては最大で、フィッチは、メキシコ政府が昨年ペメックスに課した税金がおよそ270億ドルに上った点を大きな懸念材料に挙げている。メキシコ政府はペメックスの原油生産量が減っているにもかかわらず、もっと納税額を増やすよう求めている点が問題とした。移民問題は依然として頭の痛い問題だ。米国防総省は3日、メキシコとの南西部国境に軍の部隊3750人を追加派遣し、国境管理当局を支援すると発表した。これにより税関や国境の防衛などに従事する部隊の総員は約4350人になる。軍の部隊は9月末まで、アリゾナやカリフォルニア、ニューメキシコ、テキサスで移動監視カメラを操作するほか、一部は最長240キロメートルに及ぶ鉄条網を設置するという。


【メキシコ経済指標】
6日水曜日
23:00 消費者信頼感前回105.6 予想103

7日木曜日
23:00 消費者物価指数前回4.83%  予想4.7%
28:00メキシコ中銀政策金利前回8.25%、予想8.25%


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*予想レンジ:5.65円~5.85円


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