【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は下落した。米中通商協議の進展期待やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のハト派的な議会証言を受けて、高金利通貨や新興国通貨が買われた。。しかし、南アの1月生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことで売りが優勢となった。

また、インドとパキスタンの緊張激化もリスク回避を強め、南アランドの売り要因となった。 パキスタン軍は27日、パキスタン領空でインド機2機を撃墜したことを明らかにした。26には、インド空軍機がパキスタン国内のイスラム過激派ジェイシモハメドの拠点を狙った空爆を実施し、武装勢力のメンバー多数が死亡したと発表していた。

*今週の南アランド円は、戻り売りが優勢となりそうだ。先週発表された南アの歳出上限引き上げに対して、格付け会社ムーディーズは「信用力低下にはつながらない」と発言。3大格付け会社で唯一南ア債をジャンク債扱いにしていないムーディーズの格下げ回避予想が高まり、南アランドには底堅さが出てきた。

今週は5日に2018年10-12月期国内総生産(GDP)、7日に財政収支が発表される。GDPは前期比年率+1.2%で前回の+2.2%から大きく減速する見込み。財政収支は1620億ランドの赤字だが、前回の1766億ランドの赤字よりマイナス幅が縮小する見込み。両方とも注目度が高いことから、結果には敏感に反応しそうだ。

一方、外部要因の影響も大きい。米中通商協議の先行きを巡る懸念などからリスク選好度が低下したことで、ランドには売り圧力がかかった。先週は、これに加え、緊迫化したインド・パキスタン情勢や物別れに終わった米朝首脳会談も弱材料になった。ただ、週明けは米中協議の進展に見通しが出てきている。一方、インド・パキスタン情勢は小康状態だが、火種は燻ったままで、南アランドの重石になりそうだ。

【南アフリカ経済指標】
5日火曜日
18:30 第4四半期GDP前年比前回+1.1%、予想+0.6%

6日水曜日
18:30 2月SACCI景況感指数前回95.1

7日木曜日
15:00 2月外貨準備高[Net]前回435.9億USD、予想435.0億USD
18:00 第4四半期経常収支前回-1770億ZAR、予想-1650億ZAR
18:00 第4四半期経常収支[対GDP比]前回-3.5%、予想-3.1%


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*予想レンジ:7.70円~8.00円


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