【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は横ばい。対ドルでは下落しているものの、ドル円の上昇が下げを相殺した。インフレを巡る経済指標や低金利の銀行融資などに対する懸念が出ていることに加え、米国債利回りが上昇する中、新興国通貨全体が軟調となっていることがリラを押し上げた。パトリオットミサイル防衛システムを2019年末までに納入するとの米国の提案をトルコが拒否したとの報道も嫌気された。

*今週のトルコリラ円は、6日のトルコ中銀理事会の結果次第だろう。1月のトルコ消費者物価指数(CPI)は前年比20.35%だった。2月28日に発表されたロイター調査によると、2月はわずかに低下し19.9%になると予想されている。これを背景にトルコ中銀は政策金利を据え置くだろう。ただ、一部では利下げもあるとの見方も出ている。インフレ率が低下傾向にあるといっても依然として20%近くあるため、仮に利下げとなれば、トルコリラは下落に転じる可能性がある。

エルドアン大統領は2日、同国のインフレ率は現在の19―20%から低下し6―7%になるとの見方を示した。ただ、これを達成するための方法については明示しなかった。エルドアン大統領は、選挙キャンペーンのため訪問した北東部リゼの街で演説を行った。インフレ抑制計画のスケジュールは明らかにしなかったが、3月31日の統一地方選後に関しての発言とみられる。エルドアン大統領は「トルコ中銀の外貨準備高は、大統領就任時は1000億ドルだった」と指摘。「トルコ中銀は再び強化しており、われわれはさらに先へ進む。インフレ率は6―7%へ再び低下するだろう。19―20%はわが国にとって適切ではない」と述べた。


【トルコ経済指標】
4日月曜日
16:00 2月消費者物価指数前年比前回+20.35% 予想+19.75%
16:00 2月消費者物価指数[コア]前年比前回+19.02%
16:00 2月生産者物価指数前年比前回+32.93%

3月6日水曜日
20:00 トルコ中銀政策金利前回24.00%、予想24.00%

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*予想レンジ:19.50円~21.50円


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