【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は底堅く推移した。2018年10-12月期国内総生産(GDP)成長率は前年比+1.7%と前回2.5%、予想1.8%をいずれも下回った。第4四半期経常収支は$-3424Mと前回$-5081.5M 、予想$-3500Mを下回った。メキシコ中銀は27日に今年と来年の経済成長率見通しを引き下げた。メキシコ国営石油会社ペメックスが27日発表した2018年決算によると、純損益は76億ドルの損失となった。

ただ、前年(約143億ドルの損失)から赤字幅はほぼ半減した。原油生産減少と製油所の稼働率低下が続く中、為替差益が損失縮小に寄与した。18年10〜12月期は64億ドルの損失だった。ペメックスに対しては、有力格付け会社フィッチ・レーティングスが信用格付けを引き下げたことで、投資家の懸念が強まっている。一方でメキシコのロペスオブラドール政権はペメックスへの支援を続ける意向を表明した。18年の同社産油量は日量183万3000バレルと、前年比で約6%減。国内製油所の製油量は日量61万2000バレルで、稼働率はわずか38%にとどまった。

*今週のメキシコペソ円はジリ高基調となりそうだ。あまり強材料は出ていないが、チャートパタンは強気に転換しているようだ。ムーディーズは、メキシコの信用格付けについて、政府が国営石油会社ぺメックスの再建に取り組んでいるものの、かなりの下押し圧力があるとの見方を示した。 ぺメックスが抱える負債総額は1060億ドルで、中南米の国営石油会社の負債としては最大。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は1日、メキシコの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。格付け自体は投資適格級の「BBBプラス」を維持したものの、債務増大や景気減速に伴って財政運営が苦しくなっているため、向こう1年で格下げされる確率が33%前後あるとの見方をしている。S&Pは、ロペスオブラドール大統領が率いる左派政権がメキシコのエネルギー部門における民間の果たす役割を減らし、国営石油会社ペメックスの支援に向けた歳出を拡大していることが、財政を巡る懸念を高めていると指摘。財務基盤の弱いペメックスにエネルギー部門でより積極的な役割を与えれば、財政への不測のしわ寄せが大きくなりかねないと警告した。メキシコ経済省は25日、現在メキシコと自由貿易協定(FTA)を締結していない国に対し、半年間にわたり15%の鉄鋼関税を再適用することについて暫定合意した。

【メキシコ経済指標】
5日火曜日
23:00 消費者信頼感前回112.0、予想109

7日木曜日
23:00 自動車輸出前年比前回4.9%、予想2.3%
23:00 消費者物価指数前年比前回4.37%、予想4.4%

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*予想レンジ:5.70円~5.90円


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