【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は下落した。トルコリラは下落し、対ドルでは2018年10月以来の安値水準となった。失業率がほぼ10年ぶりの水準に上昇し、財政赤字が予想を上回ったほか、米国との緊張もリラを圧迫した。12─2月の失業率は14.7%に上昇し、約10年ぶりの水準に悪化した。3月の財政赤字は245億リラ(42億4000万ドル)で、前月の168億リラから拡大。トルコのアカル国防相は15日、トルコは引き続き北大西洋条約機構(NATO)にコミットしているため、トルコがロシアからミサイル防衛システムを調達しても米国はトルコに対し制裁を導入することはないとの見方を示した。

3月31日に実施されたイスタンブール市長選を巡り、エルドアン大統領率いる与党・公正発展党(AKP)が集計結果を無効にし、選挙の再実施を要請した。当初の開票結果では、最大野党・共和人民党(CHP)のイマモール候補が、与党AKPが擁立したユルドゥルム元首相に僅差で勝利。AKPのヤブズ副党首は、1万6884票が無効票、もしくは他の政党への投票として集計されたと指摘。すべての票が再集計されればAKPの候補が当選した主張。AKPの主張が認められれば6月2日に再選挙を実施。認められなければCHPのイマモール氏が市長に就任する。選挙結果に対する騒動も嫌気され、トルコリラを押し下げた。

*今週のトルコリラ円は、戻り売りが継続しそうだ。17日に英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が、トルコ中銀は市中銀行との短期スワップ取引で純外貨準備高を膨らませていたと報じると、翌18日にトルコリラは対ドルで一時年初来安値を更新した。FTによると、トルコ中銀の純外貨準備は4月初旬時点で281億ドル(約3兆1千億円)だったが、短期借り入れ分を除くと実力は160億ドルを下回るという。外貨準備が不十分でリラの下落に対しても介入する余力がないと市場で受け止められた。これを受けてエルドアン大統領は18日の公務員組合の集会で、「西側メディアはトルコ経済を破綻だの何だの言うが、我々は揺るがない」と欧米メディアを名指しして非難した。

3月下旬にリラが急落したのも外貨準備の急減に対する懸念だったが、改めて弱材料視されたようだ。対米関係の悪化も懸念されている。エルドアン大統領は米国の反対を押し切り、ロシア製のミサイル防衛システム「S400」の導入を6月にも始める見込み。導入は米国の対ロ制裁法に抵触してトルコが制裁対象になる恐れがある。また、トルコは北大西洋条約機構(NATO)の一員だが、米国からはNATOからの脱退を求める声も出ている。国内では17日、再集計などで紛糾していた最大都市イスタンブール市長選で世俗派の野党候補にエルドアン氏の側近が敗れたことが確定した。同市長選では、与党は不正があったなどとして選挙管理当局に対して再投票を求めた。認められれば政治環境の不透明性がさらに高まりそうだ。トルコ中銀が25日に開く金融政策決定会合では政策金利は据え置きが予想されている。しかし、エルドアン政権が支持回復のために利下げ圧力を強めていく可能性もあり、それが表面化した場合、市場は再びリラ売りを強める可能性がある。

【トルコ経済指標】
22日月曜日
16:00 4月消費者信頼感指数前回59.4

25日木曜日
16:00 4月景気動向指数前回99.3 
16:00 4月設備稼働率前回74.3%
20:00 トルコ中銀政策金利前回24.00%、予想24.00%

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*予想レンジ:18.00円~20.00円


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