5月15日(水)
【5月14日の海外相場および市況】
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*14日のNY外国為替市場では、米中貿易戦争に対する過度の警戒感が後退し、ドル円相場は109円台後半に上昇した。109円56〜66銭。トランプ大統領はこの日、米中貿易交渉は決裂していないと強調、両国間の貿易戦争は「ちょっとした小競り合い」に過ぎないと言及した。トランプ大統領は前日にも、貿易摩擦問題の解消を楽観すると発言していたほか、6月下旬に大阪市で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて、米中首脳会談を行う意向を表明していた。中国側も米国による制裁関税の拡大に対して対抗措置を講じる構えを見せながらも、引き続き交渉を継続する姿勢を崩していないことから、貿易戦争に対する過度の懸念が後退し、この日はドル買いが優勢となった。

*14日のNY金は、米中貿易戦争に対する過度の懸念が後退する中、4営業日ぶりに反落した。1296.30ドル(-5.50)。トランプ大統領は13日、ホワイトハウスでの夕食会で、米中貿易摩擦の解消について楽観していると発言。また、米中双方とも制裁関税と報復関税を繰り返し応酬する構えを見せながらも、貿易摩擦の緩和に向けた交渉継続には引き続き前向きな姿勢を示していることから、この日はNYダウが反発し、安全資産とされる金は売りが強まり一時1294.30ドルまで下落した。中国外務省報道官が同日の会見で、米中は貿易問題の解決に向け対話を続けることで合意していると表明したことからドルが反発したことも金を押し下げた。

NY白金は反発。859.10(+4.20)。
パラジウムも高い。1333.00ドル(+16.20)。


*14日のNY原油は、中東の地政学的リスクの高まりや投資意欲の改善を背景に買い戻しが入り、反発した。61.78ドル(+0.74)。サウジアラビア国営通信によると、サウジの東西を結ぶ石油パイプラインの2カ所が14日、爆発物を積んだ無人機に攻撃され、施設の一部が損壊した。サウジと敵対するイランが支援するイエメンのイスラム教シーア派系武装組織フーシ派が14日に無人機7機でサウジの重要施設を攻撃したと主張。中東では既に米国とイランの間で軍事的緊張が高まっており、地政学的リスクに対する警戒感が一段と強まった。一方、トランプ政権は13日、中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を拡大する「第4弾」の詳細案を公表したが、トランプ大統領は6月下旬に発動準備を整えた上で、米中首脳会談を行う意向を表明。これに対し、中国側も協議の継続では両国は一致していると発言した。これを受けて、米中貿易摩擦激化に対する過度の懸念が後退し、この日はNYダウが急伸したため、同じリスク資産である原油も買われた。

北海ブレント原油は上昇。71.24ドル(+1.01)。ブレントは今月6日以来、WTIは8日以来の高値を付け、縮小傾向にあったブレントのWTIに対するプレミアムは9週間ぶりの大きさに拡大した。

*14日のシカゴトウモロコシは大幅続伸。368.75セント(+12.25)。一時370.75セントまで上げた。米中西部コーンベルトにおける作付けの遅れが懸念された。米農務省が13日発表したクロップ・プログレスによると、同国におけるトウモロコシと大豆の作付け状況は今春、天候の影響で例年に比べ遅れている。トウモロコシの作付け進捗率は30%で、過去5年平均の66%を下回っている。

シカゴ大豆は大幅反発。831.50セント(+29.00)。米中西部での作付けの遅れや、米中貿易協議に関する楽観的な見方が支援要因。米農務省が発表したクロップ・プログレス(12日時点)によると、同国大豆作付けの進捗率は9%で、5年平均の29%を下回った。


*14日のNYダウは、米中貿易摩擦への過度な警戒感が和らぐ中、反発した。2万5532.05ドル(+207.06)。前日は、米中両国の関税措置の応酬による「貿易戦争」の激化を嫌気したリスク回避の動きが強まり、617ドル安で終了。しかしトランプ大統領はこの日朝、ツイッターに「機が熟したら中国と取引する」などと書き込み、貿易協議での合意に前向きな姿勢を表明。協議の行方に対する過度な警戒感が後退し、幅広い銘柄に安値拾いの買いが入った。また、サウジアラビアの東西を結ぶ石油パイプラインの2カ所が爆発物を積んだ無人機に攻撃され、施設の一部が損壊したとの現地報道を受け、原油相場が上昇し、エネルギー関連株が買われたことも支援要因。


【15日の経済指標】
09:30   (豪) 5月 ウエストパック消費者信頼感指数  100.7   
11:00   (中) 4月 小売売上高 [前年同月比]  8.7%  8.6% 
11:00   (中) 4月 鉱工業生産 [前年同月比]  8.5%  6.5%
15:00   (独) 1-3月期 国内総生産(GDP、速報値) [前年同期比]  0.6%  0.7% 
15:00   (独) 1-3月期 国内総生産(GDP、速報値、季調前) [前年同期比]  0.9%  0.6%  
16:00   (トルコ) 2月 失業率  14.7%
18:00   (欧) 1-3月期 四半期域内総生産(GDP、改定値) [前年同期比]  1.2%  1.2% 
20:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  2.7%   
20:00   (南ア) 3月 小売売上高 [前年同月比]  1.1%  0.6%
21:30   (米) 4月 小売売上高 [前月比]  1.6%  0.3% 
21:30   (米) 4月 小売売上高(除自動車) [前月比]  1.2%  0.7% 
21:30   (米) 5月 NY連銀製造業景気指数  10.1  8.0 
22:15   (米) 4月 鉱工業生産 [前月比]  -0.1%  0.1% 
22:15   (米) 4月 設備稼働率  78.8%  78.8% 
23:00   (米) 5月 NAHB住宅市場指数  63  64 
23:00   (米) 3月 企業在庫 [前月比]  0.3%  0.0% 
29:00   (米) 3月 対米証券投資  -216億ドル 

第210回 『おしえて陳さん』 


http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


*TOCOM TV 出演
https://youtu.be/LckFpKGtS74

https://tocomsquaretv.com/20190325/