【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は軟調だった。メキシコ隔週消費者物価指数(前年比)は、4.43%、前回4.38%、予想4.4%と前回、予想をいずれも上回った。ただ、メキシコ隔週消費者物価指数(前月比)が-0.3%と前回-0.03%より減少していたため、インフレが収まりつつあるとの指摘もあった。

メキシコの2019年第1四半期の国内総生産(GDP)確報値は前期比0.2%減少した。前年同期比では1.2%増と、4月に発表された速報値の1.3%増からやや下方改定された。GDPが縮小したことを受け、メキシコペソや株価はさえない動きとなった。

*今週のメキシコペソ円は、上値の重い展開が続きそうだ。メキシコ国立統計地理情報庁(INEGI)は24日、今年第1四半期の国内総生産(GDP)成長率が、前期(2018年第4四半期)に比べて0.2%減となったと発表した。第1次産業は2.6%増となったものの、第2次産業は0.6%減、第3次産業が0.2%減となった。前年同月比では全体で0.1%増。第1次産業が5.6%増、第2次産業が2.1%減、第3次産業が1.0%増だった。最も落ち込んだ産業は鉱業で、前期比1.4%減、前年同月比7.6%減を記録した。メキシコのGDPが予想以上に悪く、メキシコ経済への懸念が高まっているが、オブラドール政権の経済政策の影響が悪い方向で出ているようだ。空港建設のキャンセルやペメックスの入札中止が、これから先も経済を後退させる可能性がありそうだ。

環境大臣ゴンザレス氏が辞任した。オブラドール大統領の財政政策で、医療費が不足し病院の運営が悪化しているそうで、ゴンザレス氏は障害が出ていることを訴えていたが、聞き入れて盛らなかったことに対する抗議の辞任となったようだ。4月のメキシコ貿易収支(季節調整済み、暫定値)は1806万ドルの黒字だった。黒字は今年初めて。輸出は前月比2.18%増の384億3804万ドル、輸入は1.49%増の384億1998万ドルだった。季節調整前の値では輸出が394億4710万ドル、輸入が380億7690万ドル。輸出では石油が前年同月比14.3%減、鉱物が21.7%減となったが、農畜産物は14.5%増と伸びた。自動車も9.0%増と好調だった。

メキシコ政府は同国国営石油会社ペメックスに対し、2020年と21年に1387億ペソ(72億8000万ドル)相当の税減免措置を実施する方針。ペメックスの財務は巨額債務により圧迫されている。税減免は政府への利益分配を現行の65%から、21年までに54%へ引き下げることで実現されるという。


【メキシコ経済指標】
28日火曜日
22:00 失業率 前回3.2% 予想3.40%

5月29日水曜日
27:30メキシコ中銀インフレレポート

5月31日金曜日
30:00 財政収支前回3.14B

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*予想レンジ:5.60円~5.90円


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