5月29日(水)
【5月28日の海外相場および市況】
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*連休明け28日のNY外国為替市場のドル円相場は、米中貿易交渉の難航が懸念されて109円台前半に軟化した。109円32〜42銭。欧州市場では、財政問題に関して、サルビーニ伊副首相が「古びたEU規制と全力で戦う」と述べ、ユーロが下落し、リスク回避姿勢から一時109円20銭台に下落した。しかし、5月米消費者景気信頼感指数は134.1と、前月の129.2から上昇し、昨年11月以来の高水準となった。市場予想の130.0も上回り、米経済の堅調さを受けて一時109円61銭まで上昇した。その後、米長期金利が低下したことからドルが売られ、米中貿易交渉では閣僚協議の再開日程が決まっていないため、「貿易戦争」が長期化するとの警戒感が強まり、ドル売りが優勢となった。

*3連休明け28日のNY金は、ドル高・ユーロ安に伴う割高感に圧迫されて続落した。1277.10ドル(-6.50)。イタリアの財政状況をめぐる懸念や英国の欧州連合(EU)離脱の行方に対する不透明感などを背景にドル高・ユーロ安が進行し、ドル建て金には割高感から売り圧力がかかった。また、5月米消費者景気信頼感指数が前月から上昇し、市場予想を上回ったことも、安全資産である金の売り要因となった。トランプ大統領は27日、安倍首相との記者会見で「中国と合意する準備はできていない」と述べ、米中通商合意への期待感が後退した。市場では、今のところ米中貿易摩擦への懸念から、金よりもドルの方が選ばれている。

NY白金は反落。797.10ドル(-5.80)。
パラジウムは続伸。1339.50ドル(+13.80)。

*3連休明け28日のNY原油は、持ち高調整の買い戻しが優勢となった前週末の流れを引き継ぎ、続伸した。59.14ドル(+0.51)。米中「貿易戦争」の激化に伴うエネルギー需要の先細り懸念に加え、米国内の増産基調を背景とした在庫の高止まりが嫌気されて、先週のNY原油は6.8%下落。3連休明けは安値拾いの買いが先行し、一時59.57ドルまで買い戻された。米消費者景況感は改善したものの、外国為替市場ではドルがユーロに対して上昇したため、ドル建て原油には割高感が強まった。また、米中貿易協議の先行きが長期化するとの見通しの中、NYダウが反落に転じたことも、同じリスク資産である原油には重石となった。ただ、受け渡し拠点を抱えるオクラホマ州などで洪水が発生し、原油輸送に影響が出ているもようとの報が強材料となり、原油を押し上げた。
28日の予報によれば、アーカンソー、オクラホマ両州の洪水に見舞われた地域では今後も降雨が予想されており、アーカンソー川の水位がさらに上昇する見通し。米気象予報機関(NWS)によると、オクラホマ州の一部地域では5月に最高19インチの降雨を観測しており、さらなる雨が予想されている。

*3連休明け28日のシカゴトウモロコシは大幅続伸。420.25セント(+16.00)。一時3年ぶりの高値を付けた。米中西部で週末に再び大雨が降ったことで農家がまた農作業を見送り、作付けの大幅な遅れが懸念された。主要生産地では今後10日間にさらなる降雨が予想されている。

シカゴ大豆は大幅続伸。856.00セント(+26.25)。降雨による作付け遅れが懸念された。

*連休明け28日のNYダウは、米中貿易摩擦の長期化懸念から反落した。2万5347.77ドル(-237.92)。当初は新製品を発表した半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)に牽引されて上昇していたが、米中対立をめぐる懸念は強く、買い一巡後はじり安に転じた。トランプ大統領は前日、「中国と合意する準備がまだできていない」との見方を示し、対中関税の引き上げ拡大を示唆。市場は、米中の対立は長期化が避けられないとの懸念を強めた。


【29日の経済指標】
09:00   (日) 黒田東彦日銀総裁、発言 
10:00   (NZ) 5月 NBNZ企業信頼感  -37.5 
16:55   (独) 5月 失業者数 [前月比]  -1.2万人  -0.7万人 
16:55   (独) 5月 失業率  4.9%  4.9% 
20:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比]  2.4%   
23:00   (加) カナダ銀行 政策金利  1.75%  1.75% 
23:00   (米) 5月 リッチモンド連銀製造業指数  3  7 


第212回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


*TOCOM TV 出演
https://youtu.be/LckFpKGtS74

https://tocomsquaretv.com/20190325/