5月31日(金)
【5月30日の海外相場および市況】
ny0531


*30日のNY外国為替市場では、米金利の動きを眺めて売り買いが交錯し、ドル円はいってこいとなった。109円58〜68銭。2019年1〜3月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比3.1%増と、速報値(3.2%増)からわずかに下方修正された。ただ、改定値でも米政権が経済成長目標として掲げる「3%超」を維持し、市場予想とも一致した。これを受けてNYダウは反発し、ドル円も一時109円92銭まで上昇した。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長が講演で、インフレの低迷が長期化した場合などに利下げを検討する考えを示唆。これを受けて金利が下げに転じると、ドルは反落に転じた。

*30日のNY金は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が浮上したことなどを背景に買われ上伸した。1292.40ドル(+6.10)。約2週間ぶりの高値を付けた。2019年1〜3月期の実質GDP(国内総生産)改定値では、個人消費支出(PCE)物価指数のコアが1.0%上昇と、速報値の1.3%上昇から下方修正された。また、クラリダFRB副議長はこの日、インフレ率がFRBの目標2%を長期的に下回れば、RBは適切な金融政策運営スタンスを考慮に入れるだろうと発言し、利下げを含めた金融緩和を検討する考えを示唆した。コアPCEが予想よりも弱かったため、FRBによる次の一手は利下げになるのではないかとの観測が浮上し、金利を生まない金は買いが優勢となった。

NY白金は3日ぶりに反発。794.10ドル(+2.40)。
パラジウムも上伸し1カ月ぶりの高値をつけた。1365.70ドル(+21.80)。

*30日のNY原油は、米中貿易摩擦の激化懸念に加え、米原油在庫の増加が嫌気されて続落した。56.59ドル(-2.22)。3月8日以来約3カ月ぶりの安値に沈んだ。米石油協会(API)が前日公表した24日までの1週間の米原油在庫は、前週から530万バレル減少し、市場予想の90万バレル減を大きく上回った。この日発表された米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計では、原油在庫の取り崩し幅が30万バレルにとどまった。在庫量は4億7650万バレルで、この時期の5年平均を依然として5%ほど上回っている。生産量も日量1230万バレルと4週前に付けた1983年の統計開始以来の過去最高に並んだ。また、中国外務省高官らが米国の通商政策を改めて強く非難する発言が伝わり、市場は両国の交渉決裂を警戒。NYダウが下落すると株価と同じリスク資産である原油にも売りが強まった。
北海ブレント原油は、66.87ドル(-2.58)。

*30日のシカゴトウモロコシは大幅反発。436.25セント(+17.50)。米中西部で作付けが遅れており、生産減に対する懸念が広がった。今後2週間でさらなる降雨も予想されている。

シカゴ大豆は4日続伸。889.00セント(+17.00)。米中西部での作付けの遅れにより、収穫高が予想を下回る可能性があると懸念された。

*30日のNYダウは、過去2日間の下落を受けて値頃感から買い戻しが入り、反発した。2万5169.88ドル(+43.47)。NYダウは前日までの2日間で460ドル近く下げていたために買い戻しが入った。1〜3月期の米実質GDP(国内総生産)改定値が前期比3.1%増と、トランプ政権が掲げる成長率目標の3%超を維持したことも、株価をサポートした。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長がこの日の講演で、インフレが目標を下回り続け、世界の経済情勢が下向きリスクを示せば、利下げを含めた対応を取るとの発言も株式市場には好感された。ただ、米中貿易摩擦の長期化への懸念が根強く上値は重かった。中国政府高官はこの日、通商問題をめぐる米国の対応を「経済テロ」と批判を一段と強めた。


【31日の経済指標】
08:01   (英) 5月 GFK消費者信頼感調査  -13  -13 
08:30   (日) 5月 東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く) [前年同月比]  1.3%  1.3% 
08:30   (日) 4月 失業率  2.5%  2.4% 
08:30   (日) 4月 有効求人倍率  1.63  1.63
08:50   (日) 4月 鉱工業生産・速報値 [前年同月比]  -4.3%  -1.6% 
08:50   (日) 4月 小売業販売額 [前年同月比]  1.0%  1.1% 
08:50   (日) 4月 百貨店・スーパー販売額(既存店) [前年同月比]  0.5%)  
10:00   (中) 5月 製造業購買担当者景気指数(PMI)  50.1   
14:00   (日) 4月 新設住宅着工戸数 [前年同月比]  10.0%  -1.1% 
14:00   (日) 5月 消費者態度指数・一般世帯  40.4 
16:00   (トルコ) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前年比]  -3.0%   
16:00   (トルコ) 4月 貿易収支  -21.4億ドル 
21:00   (独) 5月 消費者物価指数(CPI、速報値) [前月比]  1.0%  0.3% 
21:00   (独) 5月 消費者物価指数(CPI、速報値) [前年同月比]  2.0%  1.6% 
21:00   (南ア) 4月 貿易収支  50億ランド   
21:30   (加) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比年率]  0.4% 
21:30   (米) 4月 個人所得 [前月比]  0.1%  0.3%
21:30   (米) 4月 個人消費支出(PCEデフレーター) [前年同月比]  1.5%  1.5% 
21:30   (米) 4月 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く) [前年同月比]  1.6%  1.6% 
22:45   (米) 5月 シカゴ購買部協会景気指数  52.6  54.0 
23:00   (米) 5月 ミシガン大学消費者態度指数・確報値  102.4  101.5


第213回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


*TOCOM TV 出演
https://youtu.be/LckFpKGtS74

https://tocomsquaretv.com/20190325/