6月11日(火)
【6月10日の海外相場および市況】
ny0610

*週明け10日のNY外国為替市場では、トランプ政権が対メキシコ制裁関税の発動を見送ったことを受けてドル買いが優勢となり、108円台半ばで堅調に推移した。108円40〜50銭。トランプ大統領は7日、メキシコと不法移民対策で合意したとして、10日に実施予定だったメキシコ産品への制裁関税発動を「無期限に見送る」と表明。これを受け、米国・メキシコ間の「貿易戦争」勃発に対する懸念が後退したため、リスク回避姿勢が後退した。ただ、米中貿易協議の行方をめぐる不透明感が引き続きドルの上値を重くしている。トランプ大統領はこの日、今月下旬に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の際に米中首脳会談が実現しなければ、直ちに中国からの輸入品ほぼすべてに追加関税を拡大することになると警告。一方、中国政府はG20サミットでの会談開催について態度を明確にしておらず、依然全く予断を許さない状況が続いている。
また、対メキシコ関税の発動を見送ったトランプ大統領だが、その一方で10日には「もしメキシコが合意事項を破った場合、制裁関税は復活する」と投稿している。

*週明け10日のNY金は、リスク回避の流れが一服する中、9営業日ぶりに反落した。1329.30ドル(-16.80)。トランプ大統領は7日、不法移民対策に関するメキシコとの協議に進展があったとして、同国産品に課すと警告していた制裁関税の発動を「無期限に見送る」と表明。これをきっかけにリスク回避姿勢が緩み、この日は世界的に株価が上昇し、安全資産である金には売り圧力がかかった。ただ、米中貿易協議で合意に近づいているという兆しはなく、米中貿易戦争の先行きはなお見通しづらい状況が金をサポートしている。

NY白金は3日ぶりに反落。805.20ドル(-0.90)。

パラジウムは1カ月半ぶりの高値に上昇。1386.80ドル(+30.80)。

*週明け10日のNY原油は、米中貿易摩擦に伴う景気悪化懸念などを背景に反落した。53.26ドル(-0.73)。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相はこの日、6月末に期限終了を迎えるOPEC主導の協調減産に関し、ロシアが協調減産延長の必要性について決断できていない唯一の国だと明言。一方、ロシアのノバク・エネルギー相は協調減産が延長されなければ原油価格が30ドルに下落する可能性も排除できないとしながらも、OPEC加盟・非加盟の産油国は6月に予定されるイベントがどのような展開をたどるかより深く分析かつ考察する必要があると述べ、今月下旬に予定されている会合での協調減産決定に慎重な見方を示した。その上でノバク氏は、多くの石油輸出国はOPEC加盟国との会合について今月下旬ではなく来月2〜4日に開く用意があることを確認していると表明した。これらの発言を受けて、OPEC加盟・非加盟国が7月以降も協調減産を継続するかどうかをめぐって不透明感が広がった。ただ、その後は米中貿易戦争の長期化が世界景気に悪影響を与えるのではないかとの懸念がくすぶる中、上値の重さを嫌気した売りが優勢となった。トランプ大統領は、今月下旬に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の際に米中首脳会談が実現しなかった場合、さらに追加関税を拡大する意向を表明。中国外務省は米国との貿易協議継続を排除しない姿勢を示したものの、具体的な協議の可能性は明らかにしなかった。

*週明け10日のシカゴトウモロコシは変わらず。415.75セント(±0.00)。作付けの遅れを受け、米国産トウモロコシの生産をめぐる懸念が高まった。一方、米気象予報機関は、コーンベルト中心部で降雨がないのは、今後の作付けには好ましいと指摘し、強弱材料が拮抗した。

シカゴ大豆は反発。858.50セント(+2.25)。多雨で、米国の作付けと生産をめぐる懸念が広がった。

*週明け10日のNYダウは続伸。2万6062.68ドル(+78.74)。米国がメキシコへの関税発動を見送ったことで安心感が広がった。トランプ大統領は7日、不法移民対策を巡りメキシコと合意したことを明らかにし、メキシコ製品への制裁関税発動を無期限で停止すると表明。メキシコが不法移民対策を強化することで合意し、米・メキシコの「関税戦争」はひとまず回避された。ただ、米中貿易摩擦はなおくすぶっているほか、米利下げに対する過度な楽観が警戒され、やや伸び悩んだ。


【11日の経済指標】
07:45   (NZ) 1-3月期 四半期製造業売上高 [前期比]  -0.5%  
10:30   (豪) 5月 NAB企業景況感指数  3 
17:30   (英) 4月 失業率(ILO方式)  3.8% 
21:30   (米) 5月 卸売物価指数(PPI) [前月比]  0.2%  0.1% 
21:30   (米) 5月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比]  2.2%  1.9%
21:30   (米) 5月 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く) [前年同月比]  2.4%  2.3% 


第213回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


*マーケットスクランブル出演
https://www.mkt-s.com/past_video/


*TOCOM TV 出演
https://youtu.be/LckFpKGtS74

https://tocomsquaretv.com/20190325/