【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は米国との関係悪化が懸念され下落した。トルコのロシア製ミサイル防衛システム「S400」の導入計画を巡り、米下院が同計画を非難する決議案を可決した。トルコ外務省は11日、受け入れられない脅威だとの見解を示し米国を非難した。5月に提出され10日に可決された決議案は、トルコにS400の購入中止を要請、引き渡された場合は制裁実施を求める内容。米国は、トルコによるS400の導入は米ロッキード・マーチン製の最新鋭ステルス戦闘機「F35」に脅威となるとしている。

トルコはF35の購入も計画している。トルコ中央銀行は12日、主要政策金利の1週間物レポ金利を24.00%に据え置いた。ただ、昨年10月に15年ぶり水準まで上昇したインフレ率が鈍化しているとの認識が示され、早期利下げに道を開いたとの見方が出た。5月のトルコ消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比18.71%。昨年10月には25.24%と2004年以来の高い上昇率を記録していたが、その後、伸び率は鈍化傾向にあることが示された。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、トルコ国債の格付けを「Ba3」から投資不適格とされる「B1」に引き下げた。国際収支の危機に陥るリスクが上昇し続け、政府が債務不履行になる恐れがあると説明した。格付け見通しは、「ネガティブ(弱含み)」を継続するとした。ムーディーズは昨年8月、トルコ国債の格付けを「Ba2」から「Ba3」に下げていた。


*今週のトルコリラ円は、戻り売りが優勢となりそうだ。ミサイルシステム導入を巡るアメリカとの緊張に加え、格下げが嫌気される展開が続くだろう。14日に格付け会社ムーディーズが、トルコの信用格付けを従来の「Ba3」から「B1」に引き下げた。引き下げは昨年8月以来。国際収支の悪化や債務不履行(デフォルト)を巡るリスクが引き続き高まっていると指摘した。格付け見通しはネガティブに据え置いた。

これに対し、トルコ財務省は声明を発表し、ムーディーズの格下げは国内の経済指標と一致しておらず「同社の公平性や客観性を疑問視せざるを得ない」とした。その上で、国内の経済指標を他の新興国と比較し、インフレ率の低下や観光収入の増加などに言及。「残念ながら非常に前向きな兆候は無視されている」と反論した。ムーディーズは、制度的な強さや政策の有効性の持続的な後退が投資家信頼感に及ぼす影響が、大規模で多様な経済や低水準の政府債務などトルコの伝統的な信用力の強さを上回る状況が強まりつつあると指摘している。

また、経済・金融の急激な変動の局面がいっそう長引く可能性が高く、外貨準備の余裕は限られているとの見方を示した。トルコ政府が講じた措置の多くは、景気の下支えという目先の優先課題に軸足を置く一方で、外的なショックに対する経済や銀行システムの根本的な耐性を低下させているとも指摘した。さらに、ロシア製ミサイルシステム「S400」の購入による米国との関係悪化を受けて海外からの圧力も強まっているとし、「トルコが購入に踏み切った場合に米議会が検討する制裁は現時点ではあまり明確になっていないが、トルコの経済や金融システムにいっそうの影を落とす」との見方を示した。


【トルコ経済指標】
17日月曜日
16:00 3月失業率前回14.7%  予想14.1%
16:00 5月住宅販売前年比前回-18.1%

18日火曜日
16:00 4月鉱工業生産前月比前回+2.1% 予想+0.1%
16:00 4月鉱工業生産前年比前回-2.2%  予想-2.2%

20日木曜日
16:00 6月消費者信頼感指数前回55.3

21日金曜日
20:30 4月住宅価格指数前年比前回+3.45%


lira0615

*予想レンジ:17.50円~19.50円


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