【ドル円相場、今週の予想】
今週のドル円は、今週28日から大阪で開催されるG20サミットでの米中首脳会談を控えて下げ渋る展開になりそうだ。先週末の東京時間では、米・イラン関係の緊迫化が警戒され107円割れが目前となった。しかし、財務省と金融庁、日銀が三者会合を開催し、会合後に浅川財務官が、「為替動向を緊張感を持って注視する」と牽制したことを受けてドル円は買戻され、107円割れが回避された。当局の口先介入が入ったこともあり、ドル円の下値追いには警戒感が高まった。

また、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが示唆され、米長期金利が一時2%を割り込んだが、先週末には金利低下が一服し、2%に回復して秀を終えた。米長期金利の下限も一旦は確認された格好となり、金利差縮小要因のドル円の売りも抑制されそうだ。しかし、先週末の反発も107円台後半に留まっており、上値の重さも意識されている。

先週末には対中強硬派とされるペンス米副大統領が中国に関する講演を延期した。市場が注目している米中首脳会談では、二国間の貿易協議の進展が期待されていることもあって、リスク回避的なドル売り・円買いは抑制される可能性が高いだろう。ただ、これまでのところ両国が相互に譲歩する姿勢はみせておらず、貿易摩擦が終結する展開は想定しにくい。トランプ政権による対中制裁「第4弾」の発動は見送られる可能性はあるものの、貿易協議は7月以降も継続する可能性があり、米中貿易リスクは今後も継続しそうだ。

ちなみに、トランプ政権は、対中制裁関税第1・2・3弾(約2500億ドル・25%)に続き、対中制裁関税第4弾(約3250億ドル・25%)を公聴会(17-24日)で検証し、大阪サミットでの米中首脳会談の結果を見極めて発動するか否かを決断する。米中通商問題が合意に到達した場合は、対中制裁関税第1・2・3弾も取り消されて、米中貿易戦争は終息に向かうことで、ドル買い・円売り要因となる。しかし、決裂した場合は、対中制裁関税第4弾が発動され、中国も米国債の売却やレアアース(希土類)の対米輸出規制に乗り出すことが予想される。米中貿易戦争が激化し、リスク回避のドル売り・円買いが加速する可能性が高まるだろう。

ただ、ドル円は長期的に見れば、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内の利下げを示唆したことから、戻り売りが優勢となろう。パウエルFRB議長は、世界経済の減速懸念や米中貿易摩擦の先行き不透明感、物価上昇(インフレ)率の低下などの逆風が強まっているとして、今後短期間のうちに公表される経済指標を注視する姿勢を示した。

先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に公表した政策金利見通しでは、参加メンバー17人のうち、2019年内に利下げを見込むメンバーが前回3月時点のゼロから8人に増加。FRB内でも利下げの主張が強まっていることを示した。金融市場では7月30、31日の次回FOMCでの利下げ観測が強まっている。FRBが利下げに踏み切れば、リーマン・ショック後の経済危機に対応するためゼロ金利政策を導入した2008年12月以来となる。

今週は個人消費支出(PCEコアデフレーター)が発表されるが、これが悪化していた場合、米長期金利が再び2.0%を割り込む可能性があり、その場合はドルの下押し圧力となろう。CFTC建玉では、ファンドのドル買い・円売りポジションが急速に縮小しており、今後、ドル売り・円買いに転じるか注目される。

<今週の主な経済指標>
国内経済関連は、25日に4月24-25日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、28日に5月失業率・有効求人倍率、5月鉱工業生産、6月19-20日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、G20大阪サミット(29日まで)が予定。
海外経済関連は、24日に米5月シカゴ連銀全米活動指数、25日に米4月FHFA住宅価格指数、米4月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米5月新築住宅販売件数、米6月CB消費者信頼感指数、26日に米5月耐久財受注、27日に米1-3月期GDP確報値、米5月中古住宅販売仮契約、28日に米5月個人所得・個人支出の発表など。

*CFTC建玉6月18日時点:ファンドのドル買い・円売りは1万6565枚(前週比-2万8600枚)と大幅減少した。総取組高は12万3629枚と前週比4万5758枚の減少。

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*予想レンジ:106.00円~109.00円


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