6月26日(水)
【6月25日の海外相場および市況】
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*25日のNY外国為替市場は、米利下げ幅をめぐる思惑から売り買いが交錯し、107円台前半で小動きとなった。107円13〜23銭。トランプ大統領は24日、イランの最高指導者ハメネイ師を標的に、米国の金融システムを通じた取引禁止などの制裁を科す大統領令に署名した。これを受けて、米イラン間の軍事的緊張が一段と高まり、世界の主要株価の大半が下落。リスク回避姿勢が強まる中、安全資産としての円買いが先行した。また、米中「貿易戦争」の行方が依然不透明であることも円買い要因となった。

しかしその後、セントルイス連銀のブラード総裁が、来月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利下げに動くことは「大幅過ぎだろう」と表明。市場では0.5%利下げを織り込み始めていただけに、一時ドルが大きく買い戻され、107円40銭まで反発した。ただ、その後、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演で、米中貿易摩擦などで景気が後退すると判断すれば「成長持続へ適切な行動を取る」と強調、早期利下げに踏み切る姿勢を改めて示した。これを受けて、再びドルが若干売り戻される展開となった。

5月の米新築住宅販売は5カ月ぶりの水準に減少。前月比7.8%減の62万6000戸で、予想全てを下回った。住宅ローン金利の低下にもかかわらず、住宅セクターの弱さが新たに示唆された。コンファレンスボードが発表した6月の米消費者信頼感指数は、2017年9月以来の低水準に落ち込んだ。

*25日のNY金は、米イランの対立激化を背景とした買いが入る一方、利益確定の売りも出やすく、ほぼ横ばいとなった。1418.70ドル(+0.50)。約5年10カ月ぶりの高値水準を小幅ながら更新した。トランプ大統領は24日、イランの最高指導者ハメネイ師を標的に、米国の金融システムを通じた取引禁止などの制裁を科す大統領令に署名。米国とイランの対立激化は必至との見方が広がり、安全資産としての金は買いが優勢となった。ただ、高値警戒感も根強く、利益確定の売りも出やすかった。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)高官らの発言で、大幅な利下げへの期待が後退したことも上げ幅を縮小させた。

セントルイス連銀のブラード総裁は、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げは必要ないと述べた。パウエルFRB議長は、景気下振れリスクが顕在化すると判断すれば、利下げの用意があると強調したが、引き下げのタイミングには言及しなかった。市場は、G20に合わせて開催される米中貿易協議の行方に注目している。

NY白金は小反落。809.80ドル(-1.90)。

パラジウムは3日続伸。1532.50ドル(+3.90)。

*25日のNY原油は、米イラン間の対立と米中貿易協議の行方に注目が集まる中、もみ
合いとなった。57.83ドル(-0.70)。強弱まちまちの材料を背景に方向感なく推移した。トランプ大統領は24日、イランの最高指導者ハメネイ師を制裁対象に指定。この日は改めて、船舶など米国の利益に危害が加えられた場合、武力で反撃すると警告した。イランはこうした姿勢に強い反発を示し、両国間の軍事的緊張の高まった。一方、長期化する中国との貿易摩擦問題をめぐっては、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)に合わせて、29日に首脳会談が行われる見通しとなった。しかし、交渉の妥結は容易でないとの見方は根強く、エネルギー需要の先細りが懸念された。

トランプ大統領は25日、ツイッターに「イランが米国の何かに攻撃を仕掛ければ、強力かつ圧倒的な力に直面することになる」と投稿し、船舶など米国の利益に危害が加えられた場合、武力で反撃すると警告した。「圧倒的とは、地域によっては消滅を意味する」とも書き込み、イラン体制の破壊も辞さない強い姿勢を示した。

北海ブレント原油は、65.05ドル(+0.19)。


*25日のシカゴトウモロコシはしっかり。453.00セント(+1.25)。米中西部では週末に一段と降雨があり、作付けの完了が遅れ、作柄を悪化させたが、今週は一部地域では温暖で乾燥した天候が予想されている。米農務省によると、トウモロコシの作柄状況は「優」「良」の占める割合が56%で、前週の59%を下回った。

シカゴ大豆は反落。903.50セント(-5.50)。米中西部産地では今春、雨が非常に多かったが、今後は温暖で乾燥した天候が予報されており、作付けが進む可能性がある。米農務省は24日、米国産大豆の作付け進捗率は85%と発表した。5年平均(97%)や予想平均(88%)を下回った。今回初めて公表された大豆の作柄状況は、「優」「良」の占める割合が54%で、予想平均(59%)を下回った。

*25日のNYダウは、米中貿易摩擦やイラン情勢をめぐる警戒感が広がる中、反落した。2万6548.22ドル(-179.32)。米中両首脳は週末29日に設定した首脳会談で通商問題を協議する見通しだが、双方が歩み寄るかは不透明。米イラン間の緊張の高まりも、引き続き地合いを悪化させた。トランプ大統領は前日、イランの最高指導者ハメネイ師に制裁を科す大統領令に署名。イラン側の反発を招いている。利下げをめぐる複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言が伝わったことも、株価を下押した。セントルイス連銀のブラード総裁は、0.50%の利下げは現時点で必要ないと発言。ハト派の急先鋒と目される同氏が大幅利下げを支持していないことが伝わり、株価の重石となった。一方、パウエルFRB議長はこの日の講演で、利下げの用意があると改めて強調。ただ、7月利下げについての手掛かりを示さなかった。


【26日の経済指標】
11:00   (NZ) NZ準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利  1.50%   
15:00   (独) 7月 GFK消費者信頼感調査  10.1 
18:15   (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言
20:00   (米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比] 
21:30   (米) 5月 耐久財受注 [前月比]  -2.1%  0.3% 
21:30   (米) 5月 耐久財受注・輸送用機器除く [前月比]  0.0%  0.2% 

第215回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


*マーケットスクランブル出演
https://www.mkt-s.com/past_video/


*TOCOM TV 出演
https://youtu.be/LckFpKGtS74

https://tocomsquaretv.com/20190325/