【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は下落した。格付け会社ムーディーズによる南ア国債の格下げ示唆やフィッチの見通し引き下げで、地合いが悪化している中、じり安となった。南アフリカの国営電力会社エスコムの損失は、過去最大の207億ランドだった。

ただ、予想よりも低かったようだ。とはいえ、年間損失が2017年の23億ランドから207億ランドと9倍に拡大しているため、市場の警戒感は強まった。南アフリカ第2四半期失業率は29.0%、前回27.6%より悪化した。ラマポーザ大統領は、2018年の就任時に27万5000人の雇用を約束していたが、この状況では難しいと見られ、今後の国内総生産(GDP)への影響が懸念された。また、米中通商協議の難航が予想されたことも南アランドには重石となった。

*今週の南アランド円は、上値の重い展開が続きそうだ。国営電力会社エスコムの損失額が市場予想よりも少なかったことは安心感を与えたが、依然として7月末に辞任したハデベ前最高経営責任者(CEO)の後任が決定していないことが市場の不安を高めている。今年に入り、南アフリカからの資金流失は債券市場を中心に進んでおり、南アランドを押し下げている。

ラマポーザ大統領を巡る違法献金問題で、大統領が来年には辞職に追い込まれる可能性があることも、市場の不透明感を高めている。週明け5日には中国の景気減速が鮮明になり、人民元が2008年の金融危機以降で初めて対ドルで7元台まで下落したことも南アランドには重石となろう。


【南アフリカ経済指標】
7日水曜日
15:00 7月外貨準備高[Net]前回439.4億USD、予想437.5億US18:30
       7月SACCI景況感指数前回93.3、予想93.0D

8日木曜日
20:00 6月製造業生産前年比前回+1.0%、予想+1.7%
 
9日金曜日
南アフリカ[休日]女性の日

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*予想レンジ:6.90円~7.20円

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