【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は小動きだった。エルドアン大統領は4日、最近引き下げられた政策金利について、今後も低下するとし、インフレ率も低下すると述べた。トルコ中央銀行は先月、政策金利を425ベーシスポイント(bp)引き下げ、19.75%とした。景気後退(リセッション)に陥っている経済を下支えする狙いだが、利下げ幅は予想を上回った。 7日、トルコリラが対ドルで上昇し、4月初旬以来の高値をつけた。

トルコ国防省は、懸案となっていたシリア北部での安全地帯構想の実現に向け、米国との間で「共同作戦センター」を設置することで合意したと明らかにした。内戦が続くシリアの北部では、トルコがテロ組織とみなすクルド人勢力が支配圏を拡大。トルコは同勢力を排除するため、新たな越境軍事作戦も辞さない構えを見せている。一方、米国はシリアでの過激派対策で共闘してきたクルド人勢力を保護する立場を取る。国境地帯で大規模衝突に発展する事態を避けるため、トルコと協議を進めてきた。今後、見解が対立する安全地帯の範囲などをめぐり、同センターで詰めの調整を行うとみられる。

*今週のトルコリラ円は、底堅く推移しそうだ。トルコリラは、エルドアン大統領が中央銀行総裁を更迭し、米国から制裁を科せられる恐れがあるロシア製防空システム「S400」を購したにもかかわらす堅調に推移している。S&Pグローバル・レーティングは、トルコでは通貨リラ相場が安定したことから、銀行セクターが本格的な危機に陥るリスクは低下したとの認識を示した。 S&Pのトルコ担当のアナリストは、最近のリラ相場の安定が金融システムの状況改善を支援したと指摘。ただ、不良債権の問題を中心に引き続きリスクがあると説明した。銀行危機のリスクは依然高いと考えているとし、経常収支を巡るリスクも高く、不良債権問題も懸念要因だが、昨年の8月や9月よりも状況は改善したとの見方を示した。 不良債権と返済条件が緩和された債権を含む問題のある債権は全体の約20%に上昇する見通しだと述べた。

一方、トルコ政府が資本規制を導入する可能性は低いとし、資本規制は最後の手段としてのみ活用されるとの見方を示した。また、シリアの難民問題を巡って米国と協調路線を見せていることも好感されているようだ。エルドアン政権はシリアからの難民受け入れの姿勢を転換し、帰還を促し始めた。低迷する経済で難民への反感を強める国民の不満をそらす狙いに加え、難民帰還に向けた安全地帯の設置を通じ、対米関係を改善したいという思惑もあるようだ。エルドアン政権は経済不振の主因である対米摩擦の解消を模索している。

【トルコ経済指標】
12日~14日
トルコ休場

15日木曜日
16:00トルコ5月失業率前回13.0%

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*予想レンジ:18.50円~19.50円


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