【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は下落した。世界経済の減速に対する懸念やアルゼンチンの危機を受けてリスク回避姿勢が強まり、新興国通貨には売り圧力がかかった。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げ観測が強まったことも、新興国通貨からの資金流出を招き、週初には対円で6.87円まで弱下落した。

しかし7月の南ア消費者物価指数(CPI)が前年比で+4.0%、前月比では+0.4%となり、それぞれ市場予想の+4.4%と+0.7%を下回り、インフレが抑制されていることが好感され、ランドに買い戻しが入り、ランド円は7円台を回復する場面もあった。しかし、週末は中国が米国に報復関税を課したことで、米中貿易戦争が激化するとの懸念からリスクオフが強まり、新興国通貨は売られた。

*今週の南アランド円は、上値の重い展開が続きそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が9月会合で追加利下げを行うとの見方が強まり、新興国でも利下げが相次いでいる。南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は、7月の会合で0.25%の利下げを決定し6.50%とし、SARB総裁はこれが最後の利下げとした。市場は、SARBが来月19日の金融会合で政策金利を6.50%に据え置く可能性が高いと見ている。7月の消費者物価指数(CPI)は前年比で+4.0%となり前月や予想を下回ったことで市場では利下げ期待が高まった。

南アにとって30%近い失業率対策や、国営電力会社エスコムの多額債務などを考えると、利下げは南ア経済にとってはプラス材料になると見られている。しかし、南アランドが下落しているため輸入インフレが懸念され、利下げを見送る公算が大きいと見込まれている。第1四半期の国内総生産(GDP)が前期比年率で3.2%減少したが、第2四半期は6月の小売売上高が2.4%増加するなど、マイナス成長を回避できたことも利下げ見送りの背景にある。もっとも、国営電力会社エスコムが計画停電を考えていることや、南アの財政赤字などを考えると、南アランドの上値は重いだろう。
今週は7月の生産者物価指数(PPI)、財政収支と貿易収支が発表される。


【南アフリカ経済指標】
29日木曜日
18:30 7月生産者物価指数前年比前回+5.8%、予想+5.3%

30日金曜日
15:00 7月マネーサプライM3前年比前回+8.99%

15:00南 7月民間部門信用前年比前回+6.91%、予想+7.05%

21:00 7月財政収支前回-236億ZAR

21:00 7月貿易収支前回+44億ZAR、予想+29億ZAR

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*予想レンジ:6.70円~7.00円


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