【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は下落した。世界経済の減速に対する懸念やアルゼンチンの危機を受けてリスク回避姿勢が強まり、新興国通貨には売り圧力がかかり、トルコリラ円を押し下げた。これに加えて、トルコ東南部の3都市(ディヤルバクル、ヴァン、マルディン)の市長が解任されたことや、トルコ中銀が支払い準備率変更したことがトルコリラ売りを強めたようだ。解任の理由はテロ容疑(PKKと関係)。他にも400人ぐらい拘留されたという。

PKK(クルディスタン労働者党)はクルド人の独立国家建設を目指すクルド組織(シリア、イラク、トルコにまたがり活動)で、トルコから独立を目指している。エルドアン政権は、シリアにいるPKKをテロ組織として徹底的に潰そうとしている。トルコ中央銀行は19日、融資の伸び率が10%を超える銀行に対し、預金準備率を引き下げると発表した。預金準備がより柔軟かつ効果的に使用されることを目指した措置。 

*今週のトルコリラ円は、上値の重い展開が続きそうだ。週明け26日早朝、トルコリラ円が大幅急落し、一時16.06円の安値をつけた。先週末に中国が米国からの輸入品に報復関税を賦課し、トランプ大統領も報復措置を講ずるとしたことでリスクオフが強まり、ドル円が急落した。この流れでドル円は週明けに一時104円半ばで下落し、個人の証拠金取引(FX)の買い持ちが膨らんでいたトルコリラにもストップロスの売りが誘発されたようだ。もっとも売り一巡後のリラ円は18円台を回復し、長大な下ヒゲをひくことになった。

トルコ中央銀行が7月下旬に政策金利を4.25%引き下げて24.00%から19.75%とすることを決めて以来、トルコリラ円は底堅く推移していた。大幅な利下げにもかかわらず、金利の高さは変わらずで、スワップポイント狙いの買いが相場を支えていたようだ。ただ今回のように下落リスクはくすぶる。7月の利下げ直前にはエルドアン大統領が中銀総裁を更迭し、8月にはさらに複数の中銀幹部を解任した。政治が中銀の独立性を侵したとして市場からは不信感が強まっている。預金準備率の引き下げやシリア情勢に対する懸念も引き続き圧迫要因。

トルコ中央銀行は19日、融資の伸び率が10─20%の銀行に対する預金準備率を引き下げると発表した。市場では融資が急激に拡大する可能性があるとの懸念が浮上している。シリア情勢に対する懸念も重石となっている。トルコ政府は19日、シリア北西部でトルコ軍の車列が空爆を受け、民間人3人が死亡したことを明らかにした。トルコ政府はアメリカと共同でシリアに安全地帯を設置し、そこにシリア難民を送り返そうと計画している。この難民を送り返す計画はトルコ経済の立て直しに必須事項と見られている。

【トルコ経済指標】
26日月曜日
16:00 8月景気動向指数前回96.6

16:00 8月設備稼働率前回76.2%

28日水曜日
16:00 7月貿易収支前回-31.8億USD、予想-32.0億USD


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*予想レンジ:17.00円~19.00円


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