【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は上昇した。4-6月期国内総生産(GDP)が前期比年率+3.1%、と前回-3.2%、予想+2.5%を大きく上回る結果となり、景気後退が回避された。今回は鉱業が14.4%(前期比)成長したことが要因。南アフリカ国内での反移民の抗議活動を巡る懸念は重石となった。最大都市ヨハネスブルクや首都プレトリアではここ数日、移民を標的とした暴動が発生し、少なくとも5人の死亡が確認されている。警察はこれまでに約300人を逮捕した。ラマポーザ大統領は暴動を非難し、事態の鎮静化にコミットすると述べた。南アフリカ第2四半期経常収支は-2040億ZAR、前回-1430億ZAR、予想-1580億ZARまた、第2四半期経常収支[対GDP比]は-4.0%、前回-2.9%、予想-3.0%と、いずれも悪化する内容となった。

第2四半期の経常赤字は、国内総生産(GDP)比4%となり、第1四半期の同2.9%から拡大した。市場予想は平均で3%だった。第2四半期の貿易収支は272億ランド(18億ドル)の赤字。第1四半期は419億ランドの黒字だった。世界的な貿易対立の激化で、南ア貿易は今後数四半期にさらに落ち込み、経常赤字への圧力が強まる可能性が懸念された。週末の南アランドは対ドルで上げ幅を広げて1%超上昇し、1カ月ぶり高値を更新した。8月米雇用統計が市場予想を下回ったことを受けて、ドルが1カ月ぶり水準に下落した。米中両国が5日、閣僚級の通商交渉を10月初旬にワシントンで開催することで合意したことも支援要因となった。

*今週の南アランド円は、堅調に推移しそうだ。先週発表された4-6月期の南ア国内総生産(GDP)が前回と予想を大幅に上回る好結果だったことが、南アランドをサポートしよう。また、金やプラチナの価格が上昇していることもGDP押し上げ要因となっており、南アランドにはプラス要因となっている。ただ、中長期的にみると不安要因が大きい。先週発表された4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率で3.1%増とプラスに転じたものの、本格的な景気浮揚には遠いともいえる。若年失業率が50%を超えている状況で、国民の不満は高まっている。成長率は前期比でプラスを記録したが、主因は前期の反動と見られている。1~3月は火力発電所の不具合や燃料不足などから計画停電が行われた影響で、-3.1%(修正後)の落ち込みを記録していた。

南アフリカ中銀は2019年通期の成長率を0.6%と予想する。政府が失業率を半減させるために必要とみている5%にはほど遠い。4~6月の失業率は現行の方法で統計を取り始めた2008年以降で最悪の29%だった。15~24歳の若年層に限れば56%に達する。最近では、こうした若年層の不満を背景にヨハネスブルクや近郊で、若者らによる暴動が拡大している。移民が経営している店が襲われたり焼き打ちにあったりしたという。地元メディアは「若者らのいら立ちが暴力に向かっている」という。ズマ前大統領にかわって18年、同じ与党アフリカ民族会議(ANC)から就任したラマポーザ大統領は民間部門の育成や改革にとり金でいる。財務省は19年8月末、経済改革案を発表し、破綻寸前の国営電力会社エスコムの資産売却のほか、個人や企業が売電できるようにするなどの規制緩和を盛り込んだ。水道や通信などのインフラ事業にも競争原理を取り込む考え。ただANCには改革に否定的なズマ派も多く残る。方向性は正しいものの、党内でコンセンサスを得るのは容易でないとの指摘がある。


【南アフリカ経済指標】
10日火曜日
20:00 7月製造業生産前年比前回-3.2%、予想-1.8%

11日水曜日
18:30南アフリカ景況感前回92.0、予想92.4
19:00南アフリカ第3四半期BER企業信頼感前回+28、予想+28

12日木曜日
18:30南アフリカ鉱業生産前年比前回-4.2%、予想-1.0%

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*予想レンジ:6.90円~7.30円


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