【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は上昇した。メキシコ政府は9日、2020年度の予算案を連邦議会に提出した。19年比で1.5~2.5%の経済成長を前提に、歳入が今年度予算より0.4%増えると見込み、歳出を同0.8%増やす。メキシコ8月消費者物価指数は前年比3.16%、前回3.78%、予想3.2%とインフレの低下が確認された。エブラルド外相は10日、ワシントンでペンス副大統領らと不法移民問題について会合を開いた。会合でエブラルド氏は、治安部隊を動員した不法移民対策の効果が出ていると主張し、米側が求める追加対策を拒否する姿勢を示したという。

今回の会合は6月7日に、メキシコが米からの関税発動の無期延期と引き換えに約束した不法移民対策の効果について、両国が90日間で検証するとしていた合意に基づいて開かれた。会合後の記者会見でエブラルド氏は「メキシコの対策は効果が出ており、不法移民の減少傾向は今後も続く」と話した。ロペスオブラドール大統領は11日朝の定例会見で、不法移民対策を巡る米国との会合を受けて「関税の危機や脅威は遠のいた」と話した。不法移民対策の成果が認められたとの考えを示した。

同時にカナダを含めた3カ国の関係強化のためにも北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の早期批准を求めた。すでにメキシコは批准に向けて議会の承認を得ているが、今後の選挙日程も絡んで、米とカナダでは作業が遅れている。

*今週のメキシコペソ円は、保ち合いで推移しそうだ。メキシコ政府が連邦議会に提出した2020年度の予算案は、19年比で1.5~2.5%の経済成長を前提に、歳入が今年度予算より0.4%増えると見込みで、歳出を同0.8%増やす。基礎的財政収支(プライマリーバランス)は国内総生産(GDP)比で0.7%の黒字を目指すとしている。11月15日までの可決を目指す。

エレラ財務公債相は予算案について9日の会見で、(1)社会福祉の拡充、(2)治安改善、(3)国営石油会社ペメックスの支援を大きな目標に掲げた。税収確保に向けて徴税方法を改善させていくとし、今年度に引き続き増税はしないと約束した。税収の柱の1つであるペメックスによる原油生産についても、「落ち込みはすでに止まっており、計画通り増産が見込める」とした。ただ、米ゴールドマン・サックス(中南米担当)は、経済成長率が政府予想よりも下振れる可能性などから「メキシコ政府は税収増に楽観的過ぎる」と指摘した。JPモルガンもこの予算では格下げ懸念を払拭できないと懸念した。格付け会社S&Pグローバル・レーティング(S&P)は、メキシコ政府が2020年の経済成長率を1.5~2.5%と予測しているのは楽観的すぎるとの見方を示した。

政府の経済見通しは先週、来年の予算案の一環として発表された。S&Pは「われわれの最新の予想はもっと保守的」と述べた。さらに、同国政府は来年の原油生産高を日量190万バレルと見積もっているが、達成できないリスクがあると指摘した。メキシコの現在の産油量は平均で日量約170万バレル。ロペスオブラドール政権になってから、メキシコシティ新空港の建設中止などによる混乱で民間投資は落ち込み、雇用や消費にも影を落としている。民間投資の回復が見通せない中で財政規律を維持しながら、景気刺激を含めた必要な施策をどう実行していくか政権のかじ取りが試されそうだ。

【メキシコ経済指標】
20日金曜日
20:00 個人支出前年比前回1.1%、予想0.9%

peso0917

*予想レンジ:5.45円~5.65円


情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
*チャートの著作権は、㈱ミンカブジインフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、㈱ミンカブジインフォノイドは一切の責任を負いません。