【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は、上値の重い展開になりそうだ。週明け23日のNY市場は、世界経済の減速懸念を背景に安全資産とされる円買いが継続し、107円台半ば近辺で推移した。米中両国は19日からワシントンで次官級貿易協議を開催したが、20日に中国の代表団が米農家の視察を中止して帰国。貿易協議の進展期待が後退し、リスクオフに傾いた。9月のドイツPMI速報値が49.1と、6年半ぶりに50を下回った。9月のユーロ圏総合購買担当者景況指数(PMI)速報値も50.4となり、2013年半ば以来の水準に低下した。ユーロ圏の景気減速が懸念されユーロが急落し、ドル円も連れ安となった。米国の総合PMIは、9月速報値が51.0と、8月確報値の50.7から小幅上昇したものの、米中貿易交渉の長期化に対する警戒感から世界経済の減速懸念が強まりドル円は107円台前半から半ばのレンジでもみ合った。

17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を0.25%引き下げ、年1.75~2.00%にすることを決めた。米中貿易摩擦や世界経済の減速を受けて不透明感が強まっていると判断、約10年半ぶりとなった7月に続き、利下げに踏み切った。声明では景気が「緩やかに拡大したものの、貿易摩擦や世界経済減速、インフレ率の2%目標未達など先行きに不確実性が残っていると警戒感を表明し、景気拡大の持続に向け適切に行動するとして10月以降の追加金融緩和に含みを残した。パウエル議長は「リスクに対する保険を掛ける措置」と説明。予防的な利下げとして小幅な金融緩和にとどめたとの考えを示した一方で、景気が悪化すればより積極的な利下げが適切との姿勢も示した。ただ、今回の政策決定では、投票権を持つ10人のうち3人が0.25%の利下げに反対。1人は0.5%の大幅利下げを主張し、2人が据え置きを求めた。反対が7月から1人増え、政策運営が難しくなっていることが判明した。

ダラス連邦準備銀行のカプラン総裁は20日、FRBの金融政策に関して、「年内の追加利下げ判断には傾いていない」と述べ、2020年に1回の追加引き下げを見込んでいると明らかにした。年内の追加利下げに関しては、やはり今後の経済指標次第になりそうだ。

今週発表される8月消費者信頼感指数や4-6月期国内総生産(GDP)確報値、8月個人消費支出などの経済指標は注目されよう。結果が市場予想を下回った場合、年内追加利下げ観測が再び広がりドルの上値は重くなろう。逆に、良好な内容であれば、ドル買いが強まろう。10月上旬頃に予定されている閣僚級の米中協議で貿易・通商分野での合意形成が期待されているものの、トランプ大統領は「選挙前に合意成立必要ない」、「知的財産権の問題が大きな課題」との見方を示した。

先週末、中国代表団が米国の農場視察を取りやめたことで市場の懸念は高まったが、これは米国の要請によるものだったようだ。中国の劉鶴副首相は協議のために再び訪米する。しかし、米中貿易摩擦が完全に解消されるとの期待が持てない以上、現状のドルの戻りは限定的だろう。トランプ大統領に非公式に助言しているハドソン研究所の中国戦略専門家マイケル・ピルズベリー氏は、貿易協定が迅速に合意されない場合、トランプ大統領には中国との貿易摩擦を激化させる用意があるとし「関税の引き上げは可能で、低水準の関税を50%や100%に引き上げる可能性がある」と述べた。

期待されていた日米通商交渉は24日、土壇場で難航したようだが、茂木外相は「日米貿易交渉は全て終了した」と述べ、閣僚間で貿易協定に合意したことを明らかにした。25日に予定されている日米首脳会談で最終合意し、文書に署名する方針で、共同声明も公表することになった。米国による自動車の追加関税については発動しないことを共同声明に明記する方針を示した。また数量規制を実施しないことも盛り込まれる見通し。


<今週の主な経済指標>
23日は独PMI、ユーロ圏PMI、米PMI、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会で証言、24日は米FHFA住宅価格指数、米消費者信頼感指数、独IFO企業景況感指数、25日はNZ中銀政策金利発表、米・国連総会で日米首脳会談、26日は工作機械受注(日本)、米GDP確報値(4-6月)、ECB経済報告、ドラギECB総裁講演、27日は米耐久財受注、米個人消費支出など。

*CFTC建玉9月17日時点:ファンドのドル売り・円買いは2万3862枚(前週比-8729枚)と減少。総取組高は13万0940枚と前週比2万0457枚の減少。

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*予想レンジ:105.50円~108.50円


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