【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は、横ばいで推移した。サウジアラビアの石油施設攻撃を受けてリスクオフモードが強まり、新興国通貨全般が売られた。ナレ・エネルギー相は18日、サウジアラビアの石油関連施設への無人機攻撃を受けて原油相場が急騰したことについて「一時的なものであり、続かない」と述べ、来年度予算に組み込まれている石油価格の修正は必要ないとの認識を示した。サウジアラビアのエネルギー相が攻撃で停止した石油生産が月内に復旧すると述べたことを受け、メキシコペソは堅調に推移した。

石油供給を巡る懸念が後退したことで、メキシコの主要株式指数も上昇した。格付け会社S&Pグローバル・レーティング(S&P)は13日、メキシコ政府が2020年の経済成長率を1.5~2.5%と予測しているのは楽観的すぎるとの見方を示した。政府の経済見通しは先週、来年の予算案の一環として発表された。S&Pは、メキシコ政府が来年の原油生産高を日量190万バレルと見積もっているが、達成できないリスクがあると指摘した。メキシコの現在の産油量は平均で日量約170万バレル。


*今週のメキシコペソ円は、上値の重い展開になりそうだ。今週は26日にメキシコ中銀会合が開催される。ロイター調査によると、メキシコ中央銀行は、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げて8.00%から7.75%にする見通し。インフレ圧力が緩和している上、米国の利下げと足並みをそろえることが背景。メキシコ経済が第1四半期にマイナス成長、第2四半期にゼロ成長となったのを受け、中銀は8月15日の会合で2014年6月以来初めて利下げを実施していた。8月の消費者物価指数が予想を下回り、約3年ぶりの低い上昇率となったため、中銀の利下げ余地は拡大している。

米連邦準備理事会(FRB)の利下げにより、メキシコ中銀も金融市場を不安定化させることなく景気を刺激できる余地を得たため、ほぼ確実に25bpの追加利下げを実施するとの見方が有力視されている。ペンス米副大統領は17日、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」について、年内の議会承認を楽観しているとし、新協定が米経済の勢いを後押しするとの見方を示した。ペンス副大統領は、USMCAは「非常に進歩的かつ包括的」であり、英国や欧州連合(EU)、日本、さらには中国との将来の通商協定のひな形になり得るとの考えを示した。

【メキシコ経済指標】
24日火曜日
20:00 隔週消費者物価指数前年比前回3.29%、予想3.2%

25日水曜日
20:00 失業率前回3.7%、予想3.7%

26日木曜日
27:00メキシコ中銀政策金利前回8.00%、予想7.75%

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*予想レンジ:5.30円~5.60円


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