【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は上昇した。トルコ中銀は各銀行にローン融資を促し、この融資額が目標に達成しない場合、各銀行が中銀に預けてる準備金の利息を支払わないという策を講じている。銀行に融資を強制させる方法で、景気を良くしようとする試みのようだが、格付け会社ムーディーズはこの件について、トルコ中銀の融資政策は不良債権を生むリスクが高まると述べた。国際通貨基金(IMF)は、トルコの2019年の成長率予測を-2.5%から+0.25%に大きく引き上げた。ただ、持続性については疑問視している。米国がトルコに自由貿易協定を提案したとの報道が好感された。

*今週のトルコリラ円は、堅調に推移しそうだ。持続性については疑問視されているが、国際通貨基金(IMF)は、トルコの2019年の成長率予測を-2.5%から+0.25%に大きく引き上げた。ぎくしゃくしていた米国との関係にも改善の兆しが出ている。米国がトルコに自由貿易協定を提案した。両国とも貿易関係の拡大を目指していることに加え、協定案には、最新鋭ステルス戦闘機「F35」のプロジェクトにトルコが参加することや、米国製ミサイル「パトリオット」のトルコへの売却のほか、鉄鋼・アルミ関税の引き下げに向けた措置が盛り込まれているという。

トルコ中銀のウイサル総裁は25日、中銀の最近の政策対応について「先行的」という認識を示した。トルコ中銀は過去2カ月足らずで主要金利を750ベーシスポイント(bp)引き下げた。メキシコ中銀総裁は、インフレは今後も低下し、トルコ経済は緩やかに回復するとの見通しを示す一方、中銀が「慎重な」スタンスを維持する必要性を強調した。トルコ中銀は、現行の金融政策スタンスがインフレ低下を支援していると評価しているとした。昨年、通貨リラの急落を受けて物価が高騰し景気後退に陥った。中銀は大幅な利上げを行い、インフレ圧力が緩和し、7月に利下げを実施した。市場は年内の追加利下げを予想している。

ウイサル総裁は、先行指標は年後半の不均衡是正と経済活動の回復継続を示唆していると指摘、トルコのリスクプレミアムや金融市場のボラティリティも低下するとの見込みを示した。トルコ中銀のこれまでの金融緩和スピードは速過ぎたものの、総裁が将来の対応について「かなり慎重になる」と示唆したことが評価され、トルコリラは堅調に推移しよう。


【トルコ経済指標】
30日月曜日
16:00 8月貿易収支前回-31.9億USD

10月1日火曜日
16:00 9月製造業PMI前回48.0

3日木曜日
16:00 9月消費者物価指数前年比前回15.01%  予想9.4%~15.60%
16:00 9月生産者物価指数前年比前回13.45% 予想4.6%

lira0930

*予想レンジ:18.50円~19.50円

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