【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は下落した。9月3日以来となる7円割れまで下落し、地合いの弱さが露呈した。8月の南ア貿易収支は、68億4000万ランド(4億5000万ドル)の黒字。7月は37億2000万ランドの赤字だった。ラマポーザ大統領は同日、経済成長戦略を数週間以内に最終決定すると明らかにした。

格付け会社フィッチ社が国営電力会社エスコムの格付け見通しを引き下げた。南アフリカの9月製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)は41.6と、世界金融危機の時期だった2009年8月以来約10年ぶりの低水準となった。内外の成長鈍化に対する懸念から需要が低迷した。欧州景気の悪化も嫌気された。

*今週の南アランド円は、上値の重い展開が続きそうだ。先週発表された製造業PMIは8月の45.7から41.6まで低下した。新規販売注文は48.5から40.7まで低下し、企業活動指数も45.8から39.3まで低下した。国内需要も低下しているが、南アの重要な輸出先である欧州経済が低迷していることも、南アの製造業にも悪影響を与えている。ドイツの9月消費者物価指数(CPI)は、欧州連合(EU)基準(HICP)の前年比が3カ月連続で減速し、成長見通しも下方改定される見込みとなった。

国際金融協会(IIF)は2日、南アフリカ政府が国営電力会社エスコムの組織再編と実行可能な成長計画を実施しなければ、同国の公共債務の対国内総生産(GDP)比が2024年までに95%に達する可能性があるとのリポートを発表した。前日には南アフリカ準備銀行(中央銀行)も、2008年の世界金融危機前に30%を下回っていた政府債務の対GDP比が2倍の約60%に達しているとして、警告を発している。95%の債務予想はIFFが示した4つのケース中最悪のものだが、最低のケースでも70%となっている。

リポートは、「南アの債務持続性にはますます疑問が強まっている」と指摘した。IFFは、エスコムの債務を政府が引き受ける案では政府債務が6%ポイント押し上げられると試算。「事態改善のカギは国家成長計画の実行とエスコム組織再編の青写真だ」とし、投資家と格付け会社は南アの予算案を注視していくとの見方を示した。 ムボウェニ財務相は30日に中期の予算案を発表する。


【南アフリカ経済指標】
7日月曜日
15:00南 9月外貨準備高前回442.3億USD、予想451.3億USD

9日水曜日
18:30 9月SACCI景況感指数前回89.1、予想89.0

10日木曜日
20:00 8月製造業生産前年比前回-1.1%、想-1.5%

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*予想レンジ:6.90円~7.20円


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