【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は、堅調に推移しそうだ。週明け14日のロンドン外国為替市場のドル円相場は、108円台前半に軟化した。東京市場が体育の日、NY市場がコロンブスデーで休場だったため、ロンドン市場は上値の重い展開になった。前週末のNY市場では、トランプ大統領が「対中交渉が重要な第1段階の合意に達した」と表明した。米中両国は前週末、中国による米農産物の購入拡大や知的財産権保護、通貨安誘導の抑止などで部分的に合意し、米国は15日に予定していた対中追加関税(約2500億ドルの中国からの輸入品に対して、対中制裁関税率を25%から30%へ引き上げ)の引き上げを見送った。

ところが、前日になって中国側が調印前にさらなる協議を求めていると報じられ、交渉の先行きに警戒感が浮上し、ドル円は反落に転じた。トランプ大統領が称賛する米中通商合意の「第1段階」について、中国側は習近平国家主席が署名に同意する前に詳細を詰めるため、今月末にもさらなる協議を望んでおり、劉鶴副首相を筆頭とした代表団を派遣する可能性があるという。ムニューシン財務長官は、第1段階の合意に署名できるよう米中は今後数週間かけて作業するが、実現しなければ12月15日に予定している対中追加関税の発動に踏み切ると述べた。

米中協議にまたしても靄がかかってきたが、中国側の最後の念押しの協議が行われる見込みで、決裂という最悪の事態は回避されると予想する。第13回米中通商協議で暫定合意に到達した場合、対中制裁関税引き上げが見送られ、12月に予定されている対中制裁関税第4弾も先送りされる可能性が高まる。リスク回避要因が後退して、ドル買いが強まるだろう。ドル売り要因としては、米下院でのトランプ大統領に対する弾劾審理、香港抗議デモの激化、サウジアラビアとイランの軍事衝突の可能性、トルコがクルド人勢力に対し軍事作戦を進めていることを受けた地政学リスクなど。特にサウジアラビアでは、ジュベイル外相がサウジアラムコの石油施設への空爆はイランが仕掛けたと確信しており、調査が完了した段階で軍事行動を検討すると警告しており、事態の深刻化が懸念される。

また、トランプ大統領は、ドル高による米製造業への悪影響を批判しており、ドル高牽制発言も警戒される。今週は、16日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。10月29-30日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利下げ確率がすでに80%を超えているが、ベージュブックの内容が米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を後押すするかどうか注目される。パウエルFRB議長は9月のFOMCで、予防的利下げを示唆したものの、FOMC議事要旨では、緩和政策の終了時期について議論したことが示されている。今週はベージュブックに加え、9月小売売上高、鉱工業生産、景気先行指数など米国の景況感を示唆する指標が複数発表される。

<今週の主な経済指標>
14日はユーロ圏鉱工業生産、中国貿易収支、15日は本邦鉱工業生産、国際通貨基金(IMF)による世界経済見通し(WEO)発表、16日は米地区連銀経済報告(ベージュブック)、月17日は米鉱工業生産指数、18日は中国GDP(7-9月)、米国が対欧報復関税を発動など。

*CFTC建玉10月8日時点:ファンドのドル売り・円買いは1万1012枚(前週比+2905枚)と増加。総取組高は15万0019枚と前週比1841枚の減少。

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*予想レンジ:107.00円~110.00円

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